2013年4月11日木曜日

閑話 その百





 閑話も百回を迎えて目出度い、と言いたいけど、タントモに依ると既に百三回で有る。相手はコンピューターだから数え違いは無い。あたしが間違ってるんだろうから、此処はとぼけてスルーの一手です。
 三月半ばに塔ヶ岳に登った。雪は殆ど無いのは当たり前だ。とか言って、四月になってからの雪景色も、当然有るのだ。山だからね。
 で、下ろうとしたら人がどんどん登って来る。土曜日だったから人も多かったからだ。其れと、最近は平日ばっかり登って居たので分からなかったのだろうけど、意外と若者が多い。平日は暇な年寄りが中心って事ですな。
 で、一寸との間、塔に登り着いた人の様子を見て居た。何でだって?ほら、あたしゃあ山に入ると地上に居る時と人が変わり、突如野次馬になるんだって!前述でしょう?



 
三十代男性「着いた、着いた……」
 全く同感で有る。やっと着いたのだ。
初老の男性「(頂上直下或いは一角と言っても良い処で立ち止まり)綺麗だ……」
 そう、綺麗でしょう!
若い女性「やったー、着いた!」
 元気で宜しい。因みに彼女は山女のスタイルだった。あたしも暇では無い(と言うより寒いので)ので下って行った。すれ違う人も多い。前後する人も多い。
初老の男性「いやー、暑いですなあ!」
私「ですね!」
 もうじき頂上で、僅かに残った雪を踏み乍ら嬉しそうに笑顔で言った。汗だらけだったが、元気な人だ!
 花立の大階段で、若いパーティと擦れ違った。ほぼ三分の一ずつの、異なった反応だった。
「今日は!」笑顔だ。此れが若者の本来だ。
「(小声)今日は」此れは辛いのだろう。
「……」若くても、山に来れば好不調が有るのは当然で有る。来ただけでも偉い!
 大階段を過ぎて、中年女性と擦れ違った。
彼女「もう駄目。此処迄でやっと」
 一応励ましたけど、無理は禁物なのだ。此処迄と思うなら、躊躇は不用、即引き返すのが常道。あ、下手に励ましちまった、良い歳こいてんのに、あたしゃあ駄目だなあ。
 一番好感を持ったのは、登りの道を譲った男性が、「あ、済みません」と急いで登る。「ごゆっくり」と声を掛けたのは常の事だが、彼が、人を待たして悪いと思って居る事が直に伝わって来た。絶対良い人なのだ。
 良い人に会うと、自分も幸せな気持ちになります。

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

山で会った人との会話って、良いですねー!山で会った人が、みんな良い人に思えます。
「閑話」100回連載、おめでとうございます。
ところで、「思い出す侭に馬鹿な話」も、100連載、行くのでしょうか???

kenzaburou さんのコメント...

山中の会話は、立場もお世辞も余計な気遣いも損得も、一切無いやり取りなので、其の侭のすがすがしさが有るのでしょう。

100連載行く程だったら、あたしは相当年季の入った馬鹿です。あと2回で終わりです。
隠すな、もっと有るだろうって?ばれましたか、はい、後の章で出て来ます。