2013年4月1日月曜日

思い出す侭に馬鹿な話 その一





 零細山岳会が、奥秩父縦走の合流登山を行い、私とNが先発隊で全行程を歩いた話は、随分前にした。其の時私が食料をごっそり忘れて行ったので、哀れにもお粥暮らしになったとも書いた。
 実はもう一度有るのだ、食料をごっそりと忘れた事がだ。馬鹿は死ななきゃ何とやら(涙)。幸いだったのは、単独行だったので人様に迷惑を掛けなかった事位だ。
 夏だったので、ごろ寝をする心算だった(!)のだが、目的の峠に着いてザックを開けると食料が無い。良くしたもので、どうしたって無い物は無い。仕方無く、空腹を抱えて新聞紙を広げ、其の上で寝たが、偉く冷えた。満腹だったら随分マシだったのだろう。
 翌朝とっとと下山し(何せ腹が減ってるんで)家に帰ると、食料が部屋の真ん中に置いて有った。トホホホ……(涙)。
 春、谷川岳から清水峠へ縦走、謙信尾根で下った事が有る。前の章「我がロマンチック街道」でも触れたが、清水峠と謙信尾根は別尾根なのだ。清水峠より西、高度差120m程上で主稜線と分かれるのが謙信尾根なのだ。
 夏道は西から来て、其のジャンクションを清水峠へ下り、峠からトラバース道で謙信尾根へ渡る。行ったのは春だから雪で有る。夏道なんざあ有りゃあしねえ、雪の下だ。従って、ジャンクションから謙信尾根へ向かえば良いのだ。それですんなり物事が運ぶ。
 処が馬鹿とは不思議なもんで、訳の分からん行動に出る。清水峠へ着くと言うのが、絶対の目的になって仕舞うのだ。目的地は清水部落のバス停なのにさ!
 地図を見れば一目瞭然だろうって?勿論地図は見てんだけど、清水峠と言う地名の刷り込みが強過ぎて、わざわざ清水峠へ降り立ったのだ(又涙)。
 清水峠で気付いて愕然とした。一体此処に来る必要が有ったのけえ???有る筈無いだろうが、馬鹿!!!
 (思い出す侭に馬鹿な話 その二へ続く)

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

数えきれない山行きのなかには、いろんなことがあるものですねー!夏道と春道が違うなんて!
写真、きれいですね。観ようによっては 八ヶ岳にも見えます。

kenzaburou さんのコメント...

そうなんです。春は雪で全て埋めて仕舞うので、夏路と無関係に、最短距離を取れるのですが、馬鹿が馬鹿をしました。

お褒めに預かり恐縮です。此の写真も、上越国境稜線です。