2012年8月13日月曜日

山の報告です その三十二




 暑い暑いと嘆きつつ、早い夕飯を済ました頃に、やっとアブも減った。雷鳴だけで雨も降らないから、火器、カップ、コーヒー、酒を持って表に出る、嘘の様に涼しいのだ、息が白い!!
 其れからゆっくりと、コーヒーを沸かし、酒を飲んで、段々暗くなるのを楽しんだ。真っ暗になる寸前にテントに戻った。結構贅沢な時間を過ごしたものだ。我々の柄でもないが、たまには良いでしょう。
 恒例の夜中の宴会も、当然挙行された。宴会がお開きとなれば、Yは例に依ってあっと言う間に寝付く。見事なものだ。脚がつって苦しんだ男だとは、どうしても思えない。あたしは眠れずゴロゴロして居る。それでも多少は寝た様で、四時半だよとYに起こされた。
 テントを撤収し、ブナノ丸へ登る。展望が有れば菰釣山をピストンと思って居たが、相変わらずのガスなので、下山に掛かる。古い地図には掲載されて居る登山道だ。大野君の地図には載って居ない。




 幸い確りした踏み跡が有る。路と言っても良いだろう。やがて植林に入るが、あっちだろと適当に下ると、ぴったりオートキャンプ場に着いた。
 流れに入り、泥塗れの地下足袋を洗う。Yは登山靴の泥を落とす。周りは川遊びの家族で有る。迷惑なおじさん達ですなあ。
 管理棟に下山した、と声を掛けると、お茶を飲んで行けと言うので、遠慮無くご馳走になる事にした。お婆ちゃんがキュウリの漬物をどっさり出してくれる。
主人「道志村では此の沢を登ったもんが居ないんだ、どう?」
私「詰めは悪いですねえ」
主人「何処を下ったの?」
私「前ノ岳経由で下ったけど、道標が不備だから、迷うでしょうね」
主人「毎年遭難者が出て、消防団が出動さ」
 で、亡くなった人も居ると言う。情報交換をして居ると、お婆ちゃんが今度はモロキュウをどっさり出してくれた。しかも味噌は自家製だ!ミネラルを失って居るYは、味噌を舐める様に味わって居る。当然だ。体の要求なのだ。
 一晩車を置いただけの(五百円也)、客とも言えない我々へのご親切、有り難う御座います。沢を登るのでご心配を掛けたのでしょう。感謝致しております。

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

管理棟のおじさんとおばあさん 良い人たちですねー!もろきゅうが急に食べたくなりました。
テントの横で飲むコーヒーもお酒も最高だったでしょう!!!

kenzaburou さんのコメント...

しかも取り立ての胡瓜と手造り味噌、Yでなくても涎ものです!!

日暮れのコーヒーと酒、おまけに息は白いのです。幾ら金を払っても手に入らない味なのは、DOGLOVER さんも良くご存知の通りです。