一服つけて寛いだりしたので、Yの身体が危険は去った、と判断したと見える。実際は壁にはホールド、スタンスは有るものの、未だ続くのだ。唯、其の手掛かりも足掛かりも、ボロっと崩れるのだが。
あたしが先ず登る。岩角に力を掛けず、抑える様にして登るのだ。とても危なくて楽しい。。。。。 で、Yが登ろうとした。
Y「あ、つった!」
私「何処だ!」
Y「大腿四頭筋、両方!」
岩場なので、嫌でも脚を伸ばさなければならない。其れも力を入れて。すると、グーっとつるのだ。理の当然で有る。Yは動くに動けない。結局、サブザイルを下ろしてYの手掛かりとし、登り切れたのだ。
其れでメデタシメデタシでは無い。直ぐ其処に稜線が見えて居るってえのに、急峻なザレ土(ザレと泥の混合体)が続く。
私「Y、俺が先に登って、空身で戻って来る」
登り始めて直ぐ悟った。
私「駄目だ、とてもじゃないが戻れない!」
Y「大丈夫、ゆっくり行くから」
心強いお言葉で有る。ザレ土なので、脚を伸ばさなくても済むから何とかなるだろう。雷の音が聞こえる。ザーっと来るぞと覚悟して登り、やっと稜線に這い上がったら、其処は東海道自然歩道、丸で別世界なのだ。
ガスの稜線、其の真下には過酷な世界が展開して居る。其れを知る人は少ない。
ザックを降ろし、サブザイルを肩にYの援助に向かおうと、一寸と下ると、もうYが登って来るのが見えた。
私「大丈夫か、一人で来れるか!」
Y「大丈夫、行ける!」
私「オーライ、じゃあ偵察に行く」
稜線に戻り、右へ登ると読み通り、直ぐに油沢ノ頭だった。無理すればテントを張れると見て、今度は逆に鞍部方面に行くが適地が無い。油沢ノ頭で決定で有る。
テントは張れたが、アブがワンワン集まって来て、網戸も開けられない。既にあたしは十八ヶ所位、Yも八ヶ所程は喰われて居る。もう何処が痒いのかも分からない。腕全体が痒く、腫れて居る。前に本文で、Yがブヨに大量に喰われたのを、笑った報いだろう。折角風の涼しいピークに居るのに、テントに雪隠詰めで有る。コーヒーを沸かしても、無闇と暑いのだ。酷いでしょう?(続)
4 件のコメント:
よく、ご無事に帰ってこられました。沢登りって、危ないですねーーー! テントを背負って、45度の傾斜のぼろぼろのガレ場ザレ場をヤモリの如く、へばりついて登るなんて、、、、!!!全く ファイト一発リポビタンDの世界ですね。すごいなー!!!怖!!
そうなんです。詰まらない所が危なくて。必死になるのです。
病気です。
び び びょうき なんです ね!!!
ふつう 病気は治りますが、、、。
病気にも種類が有りまして、何とかは死ななきゃ直らない、の方なんです。
コメントを投稿