2012年7月27日金曜日

休題 その九十三



 あたしの知り合いにLPレコードを売る程集め(其れも本人なりに厳選したもの)、音楽喫茶から手に入れた馬鹿でかいスピーカーとアンプでオーディオルームを構築し、クラシックを楽しむ男が居た。其の重低音も、別スピーカーの超高音も半端では無かった。
 突然の様に、CD全盛になった。大きさでも重さでも、CDはLPより遥かに有利だ。LPは聞くに従い劣化するが、CDは劣化しない。勝負有ったで有る。尤も、音自体は、LPの方が人の耳に感知不能な音迄再生するので、より本物に近い、とも言うけど。
 未だ針を作って居る会社も有るので、LPを持ち続けて居る人も居るんだと分かる。でも、どう考えてもLPの時代には戻らない。
 昔々の映像は8mmフイルムで撮った。映写機でスクリーンに映した。まあ、金持ちのみに許された道具、と言っても言い過ぎじゃあなかろう。
 今は8mmなんざ知る人も減っただろう。フイルムは残って居ても、映写機が壊れたら、新品は手に入るのだろうか。
 何時の間にかヴィデオの時代になり、其れもまた廃れた(すたれた)。流行りものは廃れものとは、此の事だ。一生懸命子供の運動会を撮ったヴィデオは、DVDに落とすか、宙に迷って彷徨うかのどちらかなのだろう。
 DVDも余命僅かとなった。多分ブルーレイに取って代わられる運命だ。其のブルーレイだってどうなる事やら。やがて3Dの何かになっちまう可能性は大だ。
 此れから先の世の中は、収集を許さない世の中なのかも知れない。幾ら収集しても、再生装置が消えるのだから、意味が無い。意味は違うが、シャープの書院で書いた文章をロッピーに格納して有るけど、取り出せないのに似て居る。あたしがそうで、間抜けにも困って居るのだ。
 ハードの変化するスピードは、確実に上がって居る。何と不自由な世の中になったもんだ(え、年寄り見たいだって?立派に年寄りなの!)。

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

わ、わ、わたしも何がはいっているのか 全く憶えていないフロッピーが100枚くらい戸棚に入っていて、困っています!

kenzaburou さんのコメント...

其れはお困りでしょう!
あたしは1枚で困ってんのに、100枚、うーん、どうすりゃあ良いんでしょうねえ。
覚えていない?棄てるの一手かも(何か凄い論文でも有れば別ですけど)。