2012年6月15日金曜日

長くてきついアプローチ その四




 前後関係に誤りが有った。随分前から花立は丸ハゲになって居た。従って植生保護ではなく、植生再生の為の木橋が正しい。
 聞いた話なので保証の限りでは無いが、塔の頂上にたった一本残って居たブナの木が消え去った。尊仏山荘の主、山岸氏には環境庁よりお呼び出しが掛かり、たっぷり油を絞られたらしい。何、薪にしたのだ、はっはっはっは。ま、仕方無い。あれだけ人が踏めば、丸ハゲにもなっちまう。
 花立より、大丸の方が僅かに高い。従って西方の展望は遮られるが、新緑、黄葉の頃は、其の大丸から鍋割への稜線が美しい。塔は目前だ。臼も檜洞丸も望める。うーん、良い山で有る。
 前述の通り花立からが山だ。今迄は山に入る為のアプローチだと思えば宜しい。うーん、きついアプローチも有ったもんだ。普通アプローチって、もっと短くてもっと楽な印象が有るのだが、そんなに甘く無いのが、大倉尾根なのだ。
 思えば南アルプスの冬山には、前山越えが付き物だ。ランチにコーヒーが付くなら嬉しい。冬山に前山越えが付くのは嬉しく無い。前山越えだけで冬山になっちまうぜ、丸一日は掛かるんだから、全く。其の前山越えを、アプローチと呼ぶのだ。
 其れを思えば、可愛いもんだ、花立迄のアプローチなんてさ。
 花立から金冷やしへ下る時、雪が付いて居ると変に怖かった。皆さんそうで、其処へ来ると恐る恐る下ったり、アイゼンを出して着けたりして居た。最近はこれまた整備が進み、降り易くなったのはご同慶の至り。
 金冷やしから塔へはほぼ前述の通り。違いは、塔直下が確りした木の階段になった事だろうか。植生保護と崩れ防止の為、木橋、階段は増えた。凄く増えた。
 其の分自然らしさが無くなって行くが、此れも仕方の無い事、嫌なら入山禁止にするしか無いだろう。自然を守る為に自然らしさが無くなる。矛盾だが、何、一筋の路だけです。

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

山崩れ、地すべり防止のために木の階段、、、! 悲しいですね。でも膝の周囲の筋肉強化のリハビリを思って、木の階段、がんばって ゆっくり上り下りしてください!

kenzaburou さんのコメント...

ええ、結構悲しいです。

リハビリには持って来いだと、其の部分は喜んでいます、へへへ。