2012年6月6日水曜日

長くてきついアプローチ その二




 其の吉沢平だが、今は地図に記載も無いし、私の怪しげな記憶のみで書いて居るので、間違って居たら御免なさい。堀山を越え、一登りして天神尾根を右に分けた直後に飛び出る、小広い平地で有る。下手すると、私だけが使って居る地名なの?
 調べてから書けって?ふん、嫌だね、メンドッチイから。
 冬から春先は霜解けで、何時でも粘土を捏ねくった様な騒ぎなのだ。しかも肌理細かい上質の土だから、うっかり転べば泥んこ塗れで、もう落とせない、お気の毒で有る、はっはっはっは。(失礼!)
 最近は少しずつ手入れが進んで居る。やがて泥んことお別れ出来るかも知れない。一寸と寂しい。(年寄りの意味不明な感傷です)
 此処から登らされ、やがて到達するハイライトが、今なら花立の大階段、昔なら同じ場所の赤土の急斜面だ。大階段は良い。ヒーヒー言っても登れば着く。赤土の急斜面はそうは行かない。油断すればずり落ちる。雨でも降ったら尚滑るので、厄介極まりない話だった。
 私の最初に買った革靴はナーゲル(鋲靴)だったとは、大分前の閑話に書いた。高校生の頃だ。凄く生意気な選択で有ったとは、分かっては居た。ガキが、最早消え行くナーゲルを、敢えて購入する事が変で有る。店員の態度にも、其れがはっきり表れて居た。
 其れは良い。こちとら確信犯の、生意気高校生なのだからさ。店員の疑う様な目付きを跳ね返してナーゲルを買って、履き始めが雨の大蔵尾根ピストンだったのだ。嬉しい、とても嬉しい。
 でも、流石にナーゲル、赤土をガッチリと噛んで滑りもしなかったのには感心した。下りでも全く滑らなかった。やけに重くて、且つ保守に無闇と手間が掛かるだけの事は、確かに有る靴だった。
 (長くてきついアプローチ その三へ続く)

0 件のコメント: