2012年6月11日月曜日

長くてきついアプローチ その三




 今はナーゲルで無くても滑らない。大階段の威力は凄い。どうか嫌わないで下さい。え、嫌って居ない、嫌って居るのはお前だろうって?ああそうだよ、どうせバレ元よ、フン!
 大人気無い発言、お詫び致しますです。
 昔々、妻と其の赤土急斜面を登って居た。夏の夕暮れ前の頃だった。流石に若かった頃の事、此処迄は順調に来たが、妻は赤土急斜面には手古摺って、ガクっとスピードが落ちた。此処さえ越せば、後は難なく今宵の宿、尊仏山荘に着けるのだ。
 そう言って、励ましつつ登ったが、当時は皆さん赤土急斜面に掛かると、嫌でも応でもガクっとスピードが落ちるものだった。だって、凄く登りにくいの。何たって、赤土の急斜面なんだから(くどい?)。
 妻に聞くと、其の時の大倉尾根の記憶は、其の花立への登りしか無い様だ。妻にはアルツのDNAは無いので、一番印象に残った記憶が強烈で、外は霞んだのだろう。其れ程だったのだ、今大階段になって居る場所の困難さは。今はどうなんだって?ふん、昔を思えば、少しは辛いかな、位さ。
 大階段を上り詰めると花立小屋。例の、夏はかき氷、冬はおしるこの小屋だ。皆さん、此処は群がって休む。矢張り、楽になったとは言え、大階段は効くのだろう。私だけでなくてとても嬉しい。
 前の大倉尾根でも触れたが、昔々は花立小屋から階段を数段登れば、花立のピークだと思って居たが、今では一登りしてやっとピークで有る。人とは僅か数十年で、其れ程迄に衰え果てるものかと、我乍ら感心する事しきりなのだ。ま、数十年経てば、化け物じゃない限りは衰えるか。化け物は極少ないのだ。
 花立の山頂は、今は木橋になって居る。植生保護の為だろう。放っておくと丸ハゲの山頂になるって事だ、塔ヶ岳の様に。塔ヶ岳は昔々の案内書だと、ブナの疎林にバイケイ草となって居る。今では想像すら出来ない。
 (長くてきついアプローチ その四へ続く)

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

登りの後の かき氷か、おしるこ!!!天国です!

kenzaburou さんのコメント...

其の上、スーパードライののぼり迄、立っているんですよ!