2011年10月15日土曜日

無敵の縦走路 その五


 翌日は快晴で、太郎山に登ったが、途中にガレっぽいトラバースが有って、怖いと泣いて歩かない。泣いてちゃ登れないぞ!と叱るが、わーわー泣くばかり。終いには怒鳴りつけて手を引いて行く。怒鳴り声と泣き声が静寂な山に響き渡るのだ。
 思えば、此れと全く同じ記述が有ったが、あれは丹沢山だ。ご丁寧に何度も同じ騒ぎを演じる馬鹿家族と言う事だ。我乍らつくづく情無いのです。
 さて、太郎山から光徳牧場への下りは、確
かにザレっぽく急で、良くは無い路だ。倅は怖さと足の裏の痛さで、泣きっ放しに泣き乍ら下った。外に登山者が居なかったのが幸いだった。人が見れば、虐待親父だと思われちまう処だった。
 誤解だ、ずば抜けた泣き虫子供に手を焼い
て居る、可哀そうな親父なので、本当はこっちが泣きたいのだ。
 又話しがあっちへ行った。妻と倅と行った
烏尾山に戻ると、書策新道から烏尾に来たのが其の日のルート。
 水場に水を詰めて置いて有るペットボトル
を四本程担ぎ上げて書策の親父に渡したら(当時は現役の親父だった、移ろい行くのが人の世だとしみじみ思わされます)、喜んでくれてビスケットをくれた。
 もっと何度も水を担ぎ上げれば良かった、
と今更思っても、親父はもう居ない。
 行者の下りで風に吹かれ、倅は例に依って
ひと泣きして、烏尾に着いたのだ。小屋は修理中だった。二人程大工さんが入って仕事中だった。トントンガタガタと賑やかだったが、作業は終った、と言うより風が強まって来た為、作業を終えた。
 我々夫婦は美味しいコーヒーを、倅はジュ
ースを飲んで、風の中へ出て行ったのだった。と、何でも無い事を書き連ねて、どうしようってんだろう。ま、此の愚ログはそんなもんなんです(ペコリ)。
  (無敵の縦走路 その六へ続く)

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

三角屋根の山小屋 素敵ですね。
山行で印象深かったこと、ひとつひとつの風景やその時の気持ちがよみがえってきて、忘れられないですよね。
こんなふうに、山小屋の親爺さんのために、無償で水を運んでくれる山男もいたんですねー。感動しました。

kenzaburou さんのコメント...

麓や水場にペットが置いて有り、有志の方は担ぎ上げて下さい○○小屋、と書いてあり、結構皆さん協力して居ます。
何たって小屋の親父の喜ぶ顔を見るのは楽しいですから。