先ずあたしがローソクに火を点ける。バーナーが青い炎を吹きコーヒーを沸かす。出来たコーヒーに焼酎かウイスキーがドボドボと入れられる。そして最高の夜の宴会の始まりで有る。(のが続きますなあ。こんな文を書いてちゃいけない)
残って居る酒は全部飲んでも構わないのだから、豪気なもので有る。何せ明日は里へ下っちまうのだ。
カップの蓋にナッツをあけ、イカなぞ出してワイワイやる。周りは真っ暗なだけで、誰一人居ないのだから騒ぎ放題なのだ。
あ、説明が必要ですね。春山は殆ど人に会わない。増してやテントが近くに有る事なぞ無い。夏や冬も、先ず人の来ない様な所に張るので、我々だけのテントがポツンと有るのが常なのだ。
此の開放感は堪らない。明日歩く距離が短かければ短い程、開放感は大きい。従って最近は、最終日の行程を極力短く設定する様にして居る。堕落だって?違う、歳なのだ。歳を取る事を堕落するとは言わない。
不思議なもので、焼酎や日本酒やウイスキー、場合に依ってはチューハイ迄が何処からとも無く出て来る。二人共、最期の酒はしっかりと確保して有るのだ。
かくして二から三時間に亘って宴会は続き、明日が有るからと、お開きとなり寝直すので有る。
贅沢とは此の様な事を指す言葉だろう。あたしは寝る前に小用をたしに表に出る。満点の星の事が多い。振り返るとテントがローソクの明かりで照らされて居る。フライが被って居るので入り口だけだけど。
寒さにブルッと奮え、テントに戻る。Yは凄い。あっと言う間に寝て仕舞う。Yの鼾を聞き乍らあたしもウトウトと眠り、携帯のアラームが、最期の朝の到来を知らせる。
良い朝で有る。
6 件のコメント:
はいはい、、それはそれは 良い朝でありましょう!!!
へっへっへっへ、とても良い朝なんで、済みませんねえ。
悪戯っ子も、これを呼んだらついつい飲み始めました。
眠りは一端、死ぬようなものです。朝が来て太陽が出ていれば感謝、感謝ですね。
悪戯っ子さん
申し訳有りません。死と眠りの差異が分かりません。似て居るだろうけど、全く異なるとしか考えられません。
一度死んでみれば分かるのでしょうけど。如何ですか、試して見られては?
えっとう、天国へのフラワーロードは垣間見ましたて。でも後ろには閻魔様がいるのです。
悪戯っ子拝
はっはっはっは、天国に閻魔様が居ましたか。地獄と間違えたんでしょうなあ。
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