面白いもので、今回も大阪人が犯人、但し三十代の青年だ。私と同年代のセンスの良い夫婦が居た。皆で話し乍ら穏やかに楽しく夕食を摂って居た。
其の旦那が全共闘上がりだと、話の中で分かって惨劇は幕を開けた(オーバーです)。大阪の青年も何等かの活動家らしく、旦那に絡み始めた。当時の闘争路線の半端さを、しつっこく批判し、仕舞いには旦那への個人攻撃になって行った。
あのなあ、路線闘争は里でやってくれ、山に下らない話を持ち込むんじゃ無い。ったく、良い歳して山を汚すんじゃない!
始めは絡む青年を適当にあしらって居た旦那も、悪し様に非難されるうちに本気になっちまって、二人の怒鳴り声が深夜迄続いた。奥さんは必死に止めようとして居たが、そうなりゃあ止まりっこ無い。
他の諸君は白け反って寝て仕舞ったが、怒鳴り合うのが煩く、多分ろくに寝られなかっただろう。私もそうだし。
唯、偉いなあ、と思ったのは、誰も「煩い!」と叫ばなかった事。尤も、怒鳴りあう二人が怖くて、言えなかっただけかな。え、其れはお前だろうって?はい、そうです。
朝になったら、大阪の青年は消えて居た。流石に、皆と顔を合わせられなかったのだろう。暗いうちに、荷物を纏めて母屋へ移ったものと思われる。
私に言う資格が有るかどうかは微妙なのだが、酒は程々に、人様の迷惑になる様な飲み方は止すべきだ。
はい、分かりましたでしゅ!!
あ、思わず返事をしちまった。一応自覚が有るもんで、つい。
私は山に、自然を求めて登る。日常には無い静寂な世界を求める。多分殆どの人もそうだろう。人工(或いは文明と言おうか)を求めるなら、山登りは不適格だ。酒を買いに本屋へ入る様なものだ。
(山の困ったちゃん その四へ続く)
2 件のコメント:
山小屋で、昔の全共闘あがりが路線についてケンカ!!! 時代錯誤もほどがあります。まだ幼稚園を卒業してない中年がいたんですねー!びっくり!!!
DOGLOVER AKIKO さん
お帰りなさい。大変だったでしょう。でも、葬式の騒ぎの時は夢中だけど、後から効いて来るのですよね。
山小屋の件は、仰る通り、仕方ねえなあ、の一言です。
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