2009年11月14日土曜日

休題 その二十七

FH000112

 

 

 写真は文と無関係で、秋だと言うだけの事につきご容赦。
 威張る訳だけど、あたしゃあ六十前から耳が遠い。ん、正確では無いな、歳の所為では無く肉体的個性に依って、三十代から耳が遠い、場合も有った。其れは正確です。
 説明すれば、あたしゃあ穴が狭い。例えば血管。親父の遺伝だ。献血に行っても看護婦(当時の呼称。でもあたしは看護士より看護婦の呼称が好きだ)(男ならどうするって?看護士さんって言えば良いだろ!)さんが苦労して血管を擦って出すが、針が思う様に入らないらしい。
看護婦「血管が細いんですね」
私「はい」
 あたしの罪じゃ無い。でも、看護婦さんは苛々して来る。やっと針が刺さる。でも、細いだで中々血液が送られない。
看護婦「手を握って開いて、繰り返して下さい」
 これが凄く嫌なの、あたしゃあ。理由は簡単で、クソ面倒な話を読めば一発なんだが、臆病臆病のあたしは血を取られる覚悟を決めるだけで一杯一杯で、其の上にニギニギしろと言われただけで、やってるうちに血の気が引いちまうんだよ、臆病者はさ(涙)。
 で、耳の穴も細く、しかも間がりくねって居るらしい。従って素人には耳垢を取れないのだ、はっはっは、アホは生まれながらにアホじゃ!
 で、どうなるかってえと、耳垢が溜まりに溜まって凝り固まり、音が遥か遠くになって仕舞う。擬似つんぼ(使ってはいけない言葉らしいが、あたしゃあ使う)で有る。
 結局仕事にも支障をきたす様になる。
顧客「大塚さん、此の件はふにゃらかへ」
私「は?」
顧客「だから、ほんだらけっぺ」
私「(耳を引っ張り)もう一度お願いします」
顧客「はらほれへれ」
私「???」
 駄目だこりゃあ。仕方無く耳鼻科へ行くと、液体薬を耳に入れ、三十分程たって耳垢を掘り出しに掛かる。其の日に終るのは片耳で、二日掛かりの工事で有る。
 今も半分音が届かないが、悪い事ばかりでは無いのが面白い処で、聞かなくて良い事は全く聞かないで済む。聞かなければいけない事は相手が注意を促してくれる。
 人間とは当り前だが、余分な事を聞いて余分な腹を立てたり余分な邪推をしたり余分な心配をする。あたしには少なくとも、其の余分な、が無いのはとても幸せだ。
 勿論、大切な事を聞き逃す(聞こえないんだから)場合も有るが、多少のリスクは負うべきで有ると思って居る。俗に言うノーリスク・ノーリターンだ。
 半つんぼのあたしは、詰らない事は聞かずに済むのだが、世の中とは詰らない余分な音(或いは情報)に満ち溢れて居る、とあたしは観て居るので、半つんぼは有難いのです。

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

耳垢堀りは オーストラリアやヨーロッパの家庭医の大事なお仕事です。大人も子供も ドクターのところで点耳薬を ドロップしてもらって、垢を吸引してもらいます。日本のように母親や自分ではやらないように、事故が起こって鼓膜が破れてでは遅いので、ドクターがやるようにしっかり教育しています。KENZABUROUさんは ヨーロッパ風の耳!

kenzaburou さんのコメント...

知りませんでした!

威張って良いのですね?(おずおずと)
えっへん……。