2009年8月27日木曜日

休題 その二十三

strangelove81

 

 博士の異常な愛情の続きです。
 本文にも書いたけど、ソ連(当時)の皆殺し装置は、似た様な物は未だに有るのだが、もっとマトモなもん(?)なんで、あれ程破滅的では無いとは判明して居るけど、一度(ひとたび)作動したらストップ不能で、本文では「安心して人類滅亡を心配して下さい」とかのたもうたが、其の通りに結構危ないのだ。
 アメリカにも有るのだろうか?公称しなけりゃ意味を成さないのだから、多分無いのだ。原潜と地下基地のICBM(多弾頭)で充分報復する自信が有るのだろう。それに映画のB52も未だに(!)現役だから、戦略核攻撃も行える訳だ。
 其のB52ですよ、アナログですなあ、当時は。何でも手動でダイヤルを合わせる。感動ものだと騒ぐのはあたしだけかい?
 話がずれた。陰の主役はB52の機長で、機長、何をするんですか!です。(古くて分からんでしょう、ふっふっふ)
 彼は任務を遂行するだけなんだが、描き方がメチャリアルなのは、キューブリックならではの拘りなんだろう。でも一寸とアブノーマルに描かれて居て、矢張りアブノーマル・ラブの世界だ。背景の音楽「ジョニーが戦場に行く時」(だったけ?)がこれまた嵌り過ぎの素晴らしさ!
 彼が実戦だと知って(本当は違う)、カーボーイハットを被ってから音楽が入る訳で、キューブリックはアメリカをおちょくってんのか?勿論そうなんで、ソ連も、或いは人類をもだ!こうなりゃあ、おまけに!!!!!
 全て雑にしか物事を把握出来ないあたしでさえ、今回の様に十何度も同じ映画を見て居れば、流石にメッセージは朧げには分かるのです。思い込みの可能性は否定しません。
 ハルは道具の象徴で(結局2001年になっちまった)、人が道具に使われる事になっては駄目だとのメッセージは完璧に伝わるので、皆殺し装置もおなじ、B52も同じ、空軍幕僚長(自衛隊じゃ無いんだから、別の名称だろう)も同じ、従って博士は、道具を象徴する(であろう)ナチをどうしようも無く引き摺って居て、右手は勝手に敬礼しちまうんで、噛んだり殴ったりする面白さは、文句の付け様も無く、天才に敬礼!(勿論、ナチ式敬礼です)
 道具に異存する人類は道具に支配されるに至る、がテーマ(おいおい、お前が決めるなよって?多分そうなんだよ!)なので、其れは正しいのだが、もっと深い処をキューブリックは見据えて居るかに思える。
 て事は、あたしの分析なんざ意味が無い?
 そうです、認めます、従って未だ見てない方は映画を見て下さい。

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

わー!!!すごいマニアックな ハードな映画がお好きなんですね。辛口の 空前のブラックユーモア。確か、日本ではあんまり流行らなかったような、、、。この映画が好きとおっしゃる日本人 KENZABUROUさんが初めてです。たしかに、KENZABUROさんのおっしゃる「空想的平和主義者」には 良いクスリです。
米ソ冷戦が、ドイツの壁は取っ払われて終焉した、と言われていますが、依然として石油問題、欧米の米軍基地など、冷戦は継続中だと思います。あんまり憶えていないし、KENZABUROUさんの映評で、興味深々、また観て見ます。ビデオ屋さんに行ってみまーす。

kenzaburou さんのコメント...

是非ご覧下さい。名作です!

と書いて気付いたのですが、シドニーのDVDもしくはビデオは日本語の字幕は無いですよね。

あたしゃあ日本に住んで居て良かった。