2009年8月12日水曜日

ふらっと寄り道一ノ倉岳 その一

FH010030

 

 

 え、一ノ倉岳って、丹沢なの?

 勿論違います。

 この章終わり。

 済みません、この章自体が冗談です。本当は、此の侭、次の章へ行きたかったのです。ははははは……、そうしたら何だか分からなくて馬鹿臭くて面白いでしょう。でも、一寸と不安を感じて言い訳をする羽目になっちまったぜ。ったく……。あ、読者の皆さんの感性に不安を感じた訳ではありませんからね、念の為。
 じゃあ何に不安を感じたかと問われれば、そのー、……、先を急ぎますので又今度。
 私の冗談は相当面白いと私は思っているのだが、人は詰まらないとか、或いは、分からないとか、ふざけてんのか!と言う。家族でさえもだ。何でだろう????
 分からない人は仕方が無いとして、ふざけて立てた(やっぱしふざけてんだ)といっても、折角一ノ倉岳の名前が出た限りは、思い出話の一つもしましよう。(え、嫌だって?勝手な事は言わないの!)
 昔々(とうとう御伽噺になったぞ!)、夜行で土合に着いたと思いなさい。新前橋で待ち時間がたっぷり有る(当時の夜行列車は皆そうだったのだ)ので、駅蕎麦は確りと食べて有るのだ。さて、例の大階段を登る。見上げる先は霞んで見えない。当時の事だ、外に何パーティも一緒に登る。大階段に、登山靴の足音が響き渡る。やっと改札に着くと一汗かいているのだが、この話が分かる人は、そうはいないでしょう。
 土合の大階段は旅番組でしょっちゅう取り上げられているので、皆さんその存在はご承知だろうけど、この話が分かる人がいないとは、大階段一杯に登山者が、ザイルを肩に掛けたり、大きなザックを背負ったり、思い思いの装備で一斉に登って行く風景の事で、今は見る事は無いのです。
 改札口にやっと着いた皆さんは一休みして、ヘッドランプを点けて歩き出す。私もそう。そのうち夜も白んで来る。皆さん、一ノ倉やマチガ沢や幽ノ沢や他に散って行く。あたしは旧道の雪道を更に進むが、あんなにいた登山者は最早姿も無いのが常であった。
 芝倉沢の入り口では、ほぼ明るくなっていた。五月始めだったのだ。登る準備をしていると、通りかかったパーティの一人が声をかけてくれた。
その人「芝倉沢をやるんですね」
私「ええ」

 (ふらっと寄り道一ノ倉岳 その二へ続く)

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