2009年8月18日火曜日

閑話 その二十八

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 自慢たらしく装備の悪さを書いて居るが、嘘ではなくモロ古くてボロボロなのです。古くないのは購入した当座のみで、ずーっと使い続けるので結果としてそうなっちゃう。
 購入する時も、止せば良いのについ安い物を選ぶ悪癖に負け、安物で身を固める、えっへん。で、泣く思いをする事も有る。
 昔々半(二十五年前の事)、正月に千曲川源流を経て金峰へ歩いた。当然信濃川上からバスで梓山へ入ったので、前夜は小淵沢の駅泊で有る。
 当時の事だから待合室で眠れる。今は駄目、最終列車が通ると皆追い出され、シャッターが閉まって仕舞う。何処の駅(除無人駅)もそうで、山もやりにくくなった。やな時代になっちまった、昔は良かったなあ、何て後愛想で言ってるだけなんで、あたしゃあ其れ程は老い込んでない、残念でしたね~♪
 冗談は良いとして、小淵沢の待合室が、何とストーブを焚いて居る。う~ん、矢張り良い時代だったなあ。(今でもそう?そうかあ)
 処が良くないの。シェラフの中で暑くて堪らず汗だらけ、モゾモゾとカッターやズボンを脱いで何とか凌いだが、シェラフの中で衣類を脱ぐのは結構大変で、傍で見ている人は、モゾモゾ動く不気味なシェラフと思った事だろう。
 翌日は曇天の下、千曲川源流を目指すうち、正月の山中だと言うのに雨が降り出した。何だよー、普通は雪だろが!異常気象の先取りか?道理で夕べ暑かった訳だ。
 其処であたしのボロ装備がものを言うので、特価のゴアもどきアノラック上下は、元から粗悪の上賞味期限が切れて長いもんだで、雨が容赦無く浸み込む。ビッショリと濡れちまった、はっはっはっは。だって、冬山で雨は想定外なんだもん。
 前線通過に依り、異常な温風は一転して寒気となり(詰まり普通の冬の風になり)、哀れ濡れそぼったアノラックはバリバリと凍り付いて仕舞った。そして冬型に安定した極寒の山となったので、とても目出度い。
 此の日は甲武信から西の小ピークで幕営、凍り付いた服でシェラフに入っても、寒いの冷たいの、救いは羽毛でなく化繊だったので、シェラフがペッタンコになって凍らなかった事位、楽しい夜でしたよ!
 二日目は快晴の雪山、脛迄のラッセルが続き、国師の登りで五人のパーティと擦れ違い、「こんにちわ!」と挨拶も弾む。人に会うのも嬉しいが、此の先はトレースを辿れば良いので精神的にもすっごーく楽なのだ。思わずニタニタして居ても責めないで下さい。
 此の日は金峰の肩で幕営。森林限界を越えて居たので、如何にも冬山だなあと言う風情、凍って居て寒くて冷たくて、とても楽しい夜は前夜に勝るのだ、貴方をお誘いしたいです。
 帰って直ぐゴアのアノラックを買いました、其れもモンベルを思い切って。冬山で雨に会っても良いようにです。備え有れば憂い無し。

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

うつくしい写真ですね! 夜明けですか。大きくして部屋に飾りたいような写真です。
冷たくて、山の澄んだ 乾いた風が感じられます。本当に「山」っていいですね。

kenzaburou さんのコメント...

お褒めに預かり汗顔です。

山はいいですね!