2009年8月24日月曜日

休題 その二十二

strangelove11

 

 最初から謝っとくけど、判り切った話で、スタンリー・キューブリックです。イラストが間に合わず、他所の写真を張っちまって、済みません(ペコリ)。
 二十世紀の代表作に、博士の異常な愛情を挙げる声も割と多いらしいが、へっ、何を仰る兎さん、あたしに言わせりゃあさ、あれこそ二十世紀最高の映画で有って、あたしの単なる好みなのだろうが、マジっす。
 キューブリックがメジャーになってからの作品はたった十一作で寡作なんだけど、全部同じ監督?と思わせる多彩さ、斬新さ、切り口の新しさ(同じ?そうですなあ)、天才って言葉は彼の為に用意されたのかね。
 其の中であたしゃあ2001年と博士の異常な愛情をアゲです。
 2001年は文句無くSFの金字塔となって居るのは至極当然で、素人のあたしが四の五の言うだけ野暮だろうから、又何時か語りましょう。
 さて、博士の異常な愛情はそうは行かない。金字塔では無いようで、何でだろう?
 題名にもなって居る博士はやっと中番過ぎてから出て来るだけで、しかも出番は少ない。ま、多いと描くのが大変なんだろうから、無理も無いので、右手が勝手にナチ式敬礼をする車椅子の科学者を、しょっちゅう撮影するのは苦労なんだろう。(違うって?)
 現に、必死に右手を抑えてもがく博士を見て居るソ連の外交官が笑って仕舞って居たが、あのシーンがOKだったのは編集して居たキューブリックが笑っちゃって見落としたか、無理は無いとしてOKを出したかどちらかなんだろうが、完璧を求めるキューブリックでさえ、笑い転げて見逃したと思いたいシーンなのだ。(もし見てない人が居たならば是非見て見ましょう、その為にこそ此れをアップしたので)
 夫々の立場で夫々一生懸命考え、役を果たし、結局人類の破滅なんだが博士はそうは思わないのが良いので、大統領が呟く「人間は百年も地下で生きて行けるのだろうか」と言う言葉と綺麗な双璧を構成するので、此の二人を同一人物に演じさせたなは、よ、憎いね!因みに、英国の派遣空軍将校も同一人物なんで、三役です。本当に上手い役者だなあー!
 勝手に考えれば、結局破滅を前にどうしようも無い派遣将校と、結局破滅を前にどうしようも無い大統領と、破滅を前に得々と持論を述べる博士は同一人物?
 2001年と同じになっちまうが、視点を高みに置いてこそ見通せるので、神の立場で初めて描けるどったんばったんの人間模様、其れを見て笑って居るあたしゃあ唯の人。
 今日(平成二十一年七月二十九日)十何度目かに見直したが、泣けました。此の映画で泣けたのは初めてだなあ。空想的平和主義者にこそ見て貰いたい映画です。え、ヤバイ書き方だって?仕方無いでしょう、本当の事なんだから!長くなったので、続きます。

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