2023年7月1日土曜日

休題 その四百八十

 

 堀山から帰った翌日、妻と湯河原の宿へ出掛けた。リタイヤ生活ならではの事ですな。名前を出しても構わんだろう、”あかね”と言う宿で、十数年前に妻と泊まった事がある。

 駅の反対側の割と高い所にある。暑い日だったのに、物好きにも歩いて行った。後半の登りは普通の宿泊客にはキツいだろう。途中に凸版印刷の保養所行方面の看板があった。フロントでも「歩いてこられたのですか」と驚かれたが、軽く汗をかく程度のものだ。

 珍しくも部屋食である。中居さんが部屋に案内するのも珍しい。冷蔵庫の中に飲み物が用意されているのも珍しい。詰まり、昭和のやり方なのだ。我々なんざリュックにチューハイやビールを詰め込んでいるんだから、冷蔵庫に入れて冷やさせて貰うだけ。我々向き(貧乏人向き)の宿ではないのですなあ。

 食事の支度は若い女性がしてくれた。向こうに凸版の保養所があるんですね、と聞くと「表に出る事がないので分かりません」との答えに驚く。そうか、寮に泊まって働いて寮に戻る生活なんだ。尤も町に行くったってあの坂だから、そりゃあ簡単ではないか。割と美人の娘さんがその生活をしてるのは、楽しみもあるのだろう。三食付きだし。それも案外質の良い食事だったりして。

 気持ちの良い風呂だった。何せ高い所にあるので、部屋も風呂も見晴らしが良い。妻もご満足な様子で結構毛だらけである。

 翌日の朝飯前に、妻は冷蔵庫から持ち込んで冷やしてた缶を取り出して見えない処に置いている。「冷蔵庫を改めさせて頂きます」ってなるのだそうだ。妻が昨年友人達と高めの宿に泊まった時の経験だそうだ。

 その経験は物を言いました。案の定「冷蔵庫を改めさせて頂きます」と来た。安宿ばかり泊まっているあたしだったら、モロに不意打ちを食らう処だった。これは妻のGJです。まあ、たまにはまともな宿に泊まれってこってすな。

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