2023年7月18日火曜日

休題 その四百八十三

 

 フィンランドのNATO加盟が決まり、スエーデンもほほ加盟決定となった。両国共中立国だったが、ウクライナの状況を見て中立を捨てたのだ。

 中立とは侵略を受けても助けてくれる国はない、と言う事だ。その代わり他国の戦争には無関係でいられる。戦争中のどちらかの国から何らかの要望があったら断らなくてはいけない。武力を使って断る場合もある。要望を聞き入れたら中立とは見なされなくなる。従って、中立を保つには大きな軍事力が必要なのだ。あいつは敵に回したくないから、中立を尊重しよう、と思わせる事だ。

 日本とは特殊な国で、軍事学、戦略学等の戦争関係の学問がない(創らせない)ので、国際常識的な中立の意味も分かっていない人が多い。”非武装中立”なんて”肉食奨励派ビーガン”の様な真逆の概念をくっつけたものでも通用する。その滑稽さが全く分からない。

 従って、フィンランドもスエーデンも重武装国家である。両国共国民皆兵、常備軍の規模は人口なりに小さいが、予備兵力は七十万から九十万を保っている。

 常備軍の装備と訓練は抜群である。フィンランドの砲兵力はNATOでトップである。スエーデンは戦闘機迄自国製に拘っている。中立国が侵略を受けた時には、武器援助も求められないからだ。全て自国内で補う必要がある。この二国は常にロシア軍の侵略に備えていた。なのに中立を選んだのは、ドイツと言う厄介な存在も原因だろう。

 ロシアはウクライナ侵略によって思わぬ痛手を被った。二国のNATO加盟でバルト海はNATOの湖になった。今迄はNATOと面していたのはバルト三国とポーランドの一部だったのが、フィンランドの長い国境線もNATO面になってしまった。自業自得とは言え、お気の毒様ですなあw

 NATOの東方拡大阻止も侵略の名分の一つだったが、驚くべき事に自らNATOを引き寄せてしまいました。

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