2014年3月22日土曜日

クソ面倒な話 その六十四




 ゼロ・グラビティは、息苦しくなる程宇宙を感じさせてくれる映画だった。でも、真似する人が居たら命取りになる部分も多いので、一言。余計な事?勿論!
 中国のステーションへ、ロシアのソユーズで行くシーンが有る。中国ステーションへ向け、一回の噴射で見事到着。
 良い子の皆さんは絶対に真似しないでね。噴射とは加速する事だ。周遊軌道で加速すると、其のエネルギーは軌道を高めて仕舞う。地球から見て、更に上の軌道に移って仕舞うのだ。すると、速度は落ちる。
 周遊軌道では、軌道の高さで速度(正確に言えば速さ)が決まる。高い軌道程遅い。此れは太陽周遊軌道を取る惑星も同じで、遠い惑星程遅く回る。
 では、対象物体に追い付くにはどうすんの?逆噴射して軌道を落とすのだ。すると速さが増し、対象物体の下方に追い付き追い越す。そこで噴射して軌道を上げ、微調整しつつ対象物体に接近するのだ。
 映画でも逆噴射と言ってるが、其れは地球帰還時のもので一発のみ。其の機能を使って中国ステーションへ向かった訳だ。説明して居るのは文字通りの逆噴射で、中国ステーションに向けてロケット噴射しろ、と言って居るのだ。混乱するだろうけど、そうなのだ。
 面倒な話の看板に、偽り無しですなあ。近づきたい物に背を向けて走れ、と言ってる訳だから。
 尤も、噴射が一発勝負の状況では、中国ステーションには着けないのだから、其処で映画は終わって仕舞う。其れでは余りに勿体無いので、此の話は忘れよう。
 衛星が衝突を繰り返して、破片の集団となって襲って来る。其れも周期的に。此れは宝くじに五回続けて当たるより、難しい設定なのだ。
 一回遭遇するなら、未だ頷ける。定期的に遭遇するには、同一高度の軌道を取らねばならない。偶然に偶然を掛け合わせ乍らだ。しかも、二つの軌道のまさに其の交点に、同時にステーションと破片群が存在しなければならない訳だ。とても考えられない。
 其の破片だが……、もう止めた!
 そんな事考えないで素直に宇宙を感じれば良いのだ、此の映画は。いやあ、あたしゃあ思わず飛んで来る破片をよけちまいましたよ!

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

むむむ、、、! なるほど、宇宙はデブリと呼ばれるゴミだらけで、破片がビュンビュン飛び交っていて避けるのが大変な世界なのかと思いました。KENZABUROUさんは、破片をちゃんと避けたそうですが、うちは、もろにぶつかって半死状態で帰ってきました。はは!!!ゴミもちゃんと周期があって軌道にのって飛んでいるのですね。
逆噴射も、消火栓の噴射で大冒険でしたが、やっぱり無理があったんですねー!なるほどなるほど。でも体験型の楽しい映画でした!!!

kenzaburou さんのコメント...

はっはっは、破片にもろにぶつかりましたか。
煩い事を言い出せば切りが無いので、素直にビクビクすることにしました!