丸？ その五

　あ、「秋だったので尚更だったのだろう」、って意味不明かも知れない。秋は日暮れがうんと早い。だから、山中では独特のわびしさを感じるのだが、林道歩きをして居ると、わびしくなんて無くて、唯々焦って仕舞うのだ。詰まり環境の違いって事です。

　椿丸から、又もや相甲国境線に戻ろう。え、やけに飛び跳ねるって？仕方無いの、東から追ってるんだから、南と思えばまたまた北よ～♪ってさ。聞いた事無い？出鱈目だから！

　菰吊山から西に二十分でブナノ丸が有る。標高は不明だ。地図で読むと、多分１２２０ｍ位だろう。「山の報告モチハギ沢」に出て来たピークだ。平凡なピークだけど、名前の通りにブナの美しい所だ。

　ブナノ丸とは、菰吊山の別名でも有ったとの覚えが有るが、私の思い違いかも知れない。今の地図では別ピークなので、其れに従おう。

　偉いでしょう、自分の思い違いかも知れない、と言うのは。完全には惚けて居ないって言う証拠なのだ、エッヘン！　でも、少しは惚けてるのかな？？　（そうだ、と何処からともなく聞こえた）

　ブナノ丸から西に向かうと、油沢ノ頭、樅ノ木沢の頭、西沢ノ頭を経て（頭ばかりでしょう、頭に来る？）西ノ丸１２９７．３ｍに至る。昔の地図には石保土山とサブタイトルが有る。今の地図では逆で、石保土山のサブタイトルが西ノ丸となって居る。やがて西ノ丸も消えるのかな？

　ふーん、大野君は丸が嫌いだったんだ。思い過ごしかも知れないけど、そう思えて来ちまった。

　丸に何かコンプレックスが有る、って事は×ばかりの人生だったのだろうか？？？　あ、其れは全く私の事だ、今の話は忘れてちょーよ、おねぎゃーだでよ！！

　其の西ノ丸は、一度しか通った事が無い。地図では、展望良しとなって居るけども、余りに遠い記憶なので霧の彼方で有る。済まんこってす（ペコリ）。

　（丸？　その六へ続く）