2014年1月17日金曜日

クソ面倒な話 その六十二




 オバマ大統領が前に、有人火星探訪の構想を発表した。あたしゃあ、出来っこないってと嘲笑った。其れは何かに書いた。
 処が、其の計画は生きて居たのだ。2030年代には実現させるつもりらしい。本気なのけえ、オバマさんよ! どうやら本気らしい。うーん、あたしのメガネ違いだったか。
 だとすりゃあ、大変なこった。ま、二十年も先の話だから、技術的には大いに進歩する事が前提だろうけど、往復一年半は掛かるのだから、クリアーするべき問題は山積みだ。
 アポロ計画でさえ、成功率は50%だった。ケネディ大統領も弔辞を用意して居たのは、余りにも有名な話だ。時代が違うけど、成功率はどんなに上がっても、50%(甘く見て)位の筈だ。
 今迄、一年以上も宇宙に居た飛行士は居る。ロシアの飛行士だが、地球に帰還したとたんに集中治療室で、一命は取り留めた、と記憶して居る。今度は一年半だ。浴びる宇宙線(放射線)は許容量を超えるだろう。
 せっせとトレーニングをしなければ、骨からカルシウムは流れ出るし、筋力は恐ろしい程低下する。一寸との事故が即命に係わる宇宙空間で、緊張の連続の中のトレーニング、のんびりした旅行では、決して無い。
 乗員八名の食糧も課題だ。レトルトを主にし、野菜栽培や食用蚕の養殖も考えて居る様だ。水と空気も課題で有る。何せ、一切合財宇宙船に積み込んだ物で賄うのだ。
 水の再生率は現在70%、此れを90%迄上げる予定らしい。其れでも、10%は失われ続けるのだ。約五百四十日の旅で、五十四日分の水を失う事になる。大きな水タンクが必要だろう。
 尤も、そんなこたあ先刻ご承知の上だろう。其れでも、火星を目指す訳だ。あたしは、もう嘲笑ったりしない。
 乗組員の選定も始まった様だ。指名されれば、断る人は稀では?命懸けだとは分かって居ても、嬉しさに身が震える思いだろう。
 やるからには、是非にでも成功を祈ります。

3 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

そうですか!!!火星行き列車の往復には、1年半もかかるのですか!!!地球上の3分の1の人々が餓えているのに!

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

そうですか!!!火星行き列車の往復には、1年半もかかるのですか!!!地球上の3分の1の人々が餓えているのに!

kenzaburou さんのコメント...

山本夏彦氏ならば、”何用あって火星へ”と題した一文を書く事でしょう。