2014年1月20日月曜日

閑話 その百十七





 閑話百十六で、龍ヶ馬場(りゅうがばんば)で集合した話をした。龍ヶ馬場って何だ、と思う人も居るだろう。塔ヶ岳から北に四十分程行った場所だ。
 龍が馬の練習(或いは調練)をしそうな所だと言う事が、謂れの様だ。此処からも、相模湾を染めて朝日が昇るのが良く見える。
 昔々の登山案内書には、冬にはスキーを楽しむ人も居る、と有るが、流石にスキーをする人を見た事は無い。やれば出来ない訳では無いのだが、ゲレンデとしては短すぎる。
 標高1504m、此処から二十分も北へ行けば、丹沢山だ。要するに、主脈縦走路の途中のピークで、塔から二つ目のピークになる訳だ。
 龍ヶ馬場、名前が優雅だ。とても良い。行って見ると、一寸と名前負けかな、と思わされない訳でも無い。
 丹沢の山名は、即物的なものが多い。蛭ヶ岳とか大石山とか檜岳とか三国山とか黍殻山とか。あとは丸とか頭で有る。其の中で、龍ヶ馬場は群を抜いて素敵な名前だ。
 外に好きな名前は、鳥ノ胸山(とんのむねやま)1207,8m。大界木山(だいかいぎやま、此れも好きな名前)から北へ延びる尾根の末端の山だ。
 地図に真っ赤にルートや破線が描かれる以前は、こう言う山を見つけては藪をこぐのが楽しみだった。
 風巻(かぜまき)ノ頭1077mも、丹沢にしては洒落た名前だ。今ではあの急登を、トレイルランニングの諸君が駆け上がると聞く。ああ恐ろしい。
 破風口(はふうこう)1300m一寸と。ピークでは無く乗越(詰まり峠)だ。地図には小さな文字で書いて有る。大昔の案内書には、丹沢で一番高い峠だと記述が有った。加入道山と大室山の間の鞍部だ。
 どう見ても、峠として利用するにはキツ過ぎる。加道山南方の白石峠を使えば良い。ん、白石峠も1307mか。だったら、同じ事なので、峠として使ったのだろう。
 名前の話だった。素敵でしょう、破風口って。丹沢の洒落た名前を挙げました。

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

丹沢の山々の地図に登山ルートが書き込まれてしまう前には、自分でルートのない藪をこいで自分で山道を開発していたのですか!!!すごい。
りゅうがばんば、とんのむねやま、だいかいぎやま、はふうこう、、、、読み仮名がついていなければ絶対読めない読み方。むかしの山屋さんは、名前をつけるのも、風流だったんですね。

kenzaburou さんのコメント...

はい。でも大概は踏み跡が有ったのです。

風流な名前を挙げたので、外は平凡な名前が多いのです。