2013年9月28日土曜日

閑話 その百九





 さてF9。体調もまあまあだ。枯滝の右の岩を登ろう。どう見ても其の一手だ。取り付いたら手掛かりも足場も完備、すと登っちまった。けれども、落ち口から上も岩が続き、そっちの方が苦労だった。
 そしてチェックストーンの滝に着いた。此れは左の小沢で巻いたが、此処も登り難かった、と言うか、ホールドが殆ど無くて、怖かった。何度も言うけど、あたしだからなので、外の諸君なら笑って通過だろう(涙)。
 今回は、久方振りに本流を詰めるのが目的だ。巻き終えたら本流に戻り、ゴーロの斜面を登って行く。ザレ尾根を這うより、余程楽で安全だし、第一効率滅法良い。
 あたしは今迄凄く無駄な馬鹿をしてたんだと、つくづく悲しい。ま、馬鹿だから馬鹿をするんで、道理と言えば道理で有りますなあ。
 で、植林が現れた所で植林に入り、程無く花立の大階段に立った。目的完遂、取り敢えずは目出度い。(途中は見っとも無かったが)



 大倉尾根には、ポツンポツンと登山者が登降して居る。あたしは吉沢平迄下って、休憩とした。
 台(ベンチでは無く木の台が有る。何処もそう)で一服着けて居ると、七十歳位の男性が登って来て、同じ台に休んだ。
男性「足をやられた様です」
私「つりました?」
男性「いや、痛いんです」
 腰を痛めて、暫く山から離れて居たそうだ。つるのは良いが(良くは無いけど)、痛いのはもっと良く無い。
私「無理をしないで、限界だと思ったら、下られた方が良いです」
男性「有り難うございます」
 偉そうに、先輩に言う事じゃ無い。でも、間違い無くそうした方が良いの。あたしは山ではお節介野郎になるのだ。自分が臆病者だろうと、全く関係無い次元の事だ。あくまで本人の為なのだ。(え、偉そうに? だから違うんだって!)
 そして、あたしは下山した。一期一会を繰り返し乍らです。

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