2013年9月15日日曜日

休題 その百二十




 次女はOT(作業療法士)を目指して夜学に通い、今は実習で凄くしごかれて居る。三十を過ぎたのに何を始めたんだ、結婚しろ!とは親の見方で、本人は必死にやってるんだから仕方が無い。
 あたしは私立公園の駐車場管理をして居る。毎日(多分。あたしは毎日勤務では無いので)OTが現れる。但し犬相手ので有る。
 乳母車にブルドッグを乗せてやって来る。七十代半ばの男性だ。公園に着くと犬を下す。ヨボヨボのブルドックで有る。男性は10m程行って、犬を呼ぶ。犬が動かない時はしゃがみ込んで呼ぶ。
 犬は主人に向かって歩き出すが、ヨロヨロして居る。左に傾くから、多分右脳の障害だろう。主人の元に辿り着くと、主人は頭を撫でて何かを食べさせる。そして又離れて、犬を呼ぶ。
 小一時間も其れを繰り返し、又ブルドッグを抱き上げて乳母車に乗せ、帰って行く。
 次女に其の話をし、其の主人は立派にOTじゃないかと訊くと、次女も同意した。其れこそ、OTの仕事だと言う。
 何と幸せな犬だろう。歩く事すら侭ならなくとも、自分のリハビリの為に努力してくれる主人が居る。犬冥利に尽きる。
 犬を先にしたのは間違いだが、勿論人にも有る。七十代の御夫婦が(多分)毎日来る。御主人は杖を突いて、やっと歩いて居る。奥さんは元気で、大きく足を上げたり、後ろ向きに歩いたり、御主人の歩調に合わせて居る。
 此の奥さんも、立派なOTで有ろう。
 継続は力で有る。あたしは一月から勤務が始まったが、ヘルメットをかぶり、前かがみにやっと歩く七十代後半の男性が居た。(多分)毎日やって来た。四月になったら、ヘルメットが帽子に変わった。転倒の恐れが無くなったからだろう。
 今では、多少たどたどしいが、ほぼ普通に歩いて居る。其の過程を見て居たあたしには、感動もので有る。
 繰り返すが、継続は力で有る。目の当りにして居るので自信を持って言い切れるのです。

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

まことに、まことに人も犬も老化にさからうためには、毎日毎日の継続的な運動が必須なんですね。お嬢さん、良い仕事を選択されましたね。これから老人国家日本にとって、なくてはならない専門家です!!!
うちの35歳の長女も、結婚してくれなくて、、、シクシク、、!

kenzaburou さんのコメント...

未だ国家試験が控えているので、どうなる事やら、なんです。

お嬢さんが、そうですか。日本では35歳過ぎての結婚が当たり前になってますが、お国でもそうなんですね。
親としては頭の痛い処ですが、不思議と何とかなるもののようです。