2013年9月20日金曜日

休題 その百二十一




 小説が読めなくなった、とは随分前に書いた。其の後色々試した。ドキュメンタリー系はOKだった。此れも書いた。で、久し振りに“坂の上の雲”を読み出した。此れは読めた、目出度い。
 二巻迄読んでツタヤへ行くと、NHKの坂の上の雲が並んで居たので、つい借りて仕舞まった。NHKが二年掛かりで放映して居たのは知ってるが、見ればがっかりするに決まってるので、見なかったのだ。
 DVDは三本見た。ほぼハードカバーの一巻の内容だ。そして、DVDを借りるのは止めた。三本迄は何とかなる。主役たちの青春編だから。
 其の先は、国家の命運を担う話になる。真之は本木君だ。彼は若い癖に腹の座った演技が出来ると、あたしは買って居た。併し、連合艦隊参謀の秋山真之を演じる姿は見たく無かったのだ。
 好古は阿部君だが、此れ又、東洋風豪傑と称された秋山好古を演じられる筈が無い。阿部君だけではなく、外の俳優達(名優が揃ってるのは認める)も、当時の人間を演じられるとは、とても思えなかったのだ。
 著者に依ると、封建時代の人間、詰まり日露戦争を遂行した指導者達は、昭和の人間とは別人種の趣が有ったらしい。確かにそうだろう。人物の大きさが違う。至近の例だと、平成の人間は昭和より小粒になった、と思わざるを得ない。
 中国でもそうだ。中共の創立者達の大きさは、凄まじい程だ。でも今は、如何にも小粒な人間達になって仕舞った。あたしにも分かる程だから、誰にでも分かって居るだろう。
 今は、不幸にも旅順攻撃の場面を呼んで居る。常用して居る降圧剤も無駄になる程、頭に血が登る。書いて居る司馬遼太郎氏も、さぞかし血圧が上がった事だろう。
 何とか、司令官の乃木さんだけは罵るまいとして居る様だが、たまに罵って居ると思われる記述が有るのは、無理も無い。
 訳の分からん奴が、人の命を左右出来る立場に有る事は、大いなる不幸で有る。
 何の話か分からなくなったが、兎に角NHKのDVDを見ようと思った人が居たら、其れは止めて原作を読む事をお勧めします。

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

司馬遼太郎は「坂の上の雲」が、自分と政治的な意見の違う人々に利用されやすいので、映画化することには最後まで反対だったそうですね。
本当に今の中国人には、「文人」の気品が全く見られませんね。お金の計算ばかりしていて、、。

kenzaburou さんのコメント...

大政治家も姿を消しました。
毛沢東、周恩来、林彪、朱徳、等の巨人達から見れば、本当に小粒です。