2013年7月6日土曜日

閑話 その百三




 登山用の雨具の進歩は、外の道具と同様に物凄いものが有る。あたしが山登りを始めた頃はポンチョだった。ポンチョはつないで張って雨除けを造れる利点は有るが、雨具としてはお粗末だった。
 風が吹けば煽られて、ビショビショになっちまう。荷物が大きいと上手く被せられなくて、人に頼まざるを得ない。それでも風に当たれば外れて仕舞う。
 やがてゴム引きの上下セパレーツとなり、其の形態でゴアテックス素材に変わった。此れは飛んでもない優れものだ。ゴアは高価なので、似た新素材も現れた。当然、ゴアか新素材の雨具全盛時代になった訳だ。
 何事にも完璧は有り得ないのが世の習い。寿命が短いのだ。五年を超えると防水力が落ちる。使用頻度と余り関係無く、恐ろしい事に、置いておくだけで劣化するのだ。
 二代目が劣化し、雨の南アルプスでビショビショになって、震えが止まらなくなった事は、前述だ。で、三代目を購入したのだが、早七年を経て、ヤバくなって居たのだ。
 四代目を購入にわざわざ新宿迄行き、Iスポーツで探したが、こ、こんなに高いのか、と唖然。だって、どうしたって三万円以上するんだもん(涙)。安いもんだって?あたしゃあ年金生活者なんです!
 安売りの上着と、モンベルのズボンを組み合わせても二万八千円也。Yは買い物上手で、雨具も二万円以下で買って居る。
 妻に嘆いたら、「返してらっしゃい、Yさんに頼めば良いのよ」と来た。そんなこたあ出来ないと答えると、「見栄張ってる場合じゃ無いでしょう!」と責める。見栄って訳じゃ無い積りなんだけど、見栄なのかなあ。
 Yに其の話をしたら、大喜びされちまった。
YS屋の特売で、二万円以下のが有ったよ」
 うーむ、そうか。妻が言うのも満更出鱈目でも無い。よし、これから必要な物が有ったら、Yに頼んでおく事にしよう。Yは良くS屋を覗くから、上手く特売品が手に入るだろう。思えば、Yの装備は全て特売で買った物だ。勿論一級品で有る。畜生、何でだ!
 買い物下手の恥晒しの話でした。

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

Yさんは、山が好きで好きで、いつも山道具屋をのぞいているのでしょうね!

kenzaburou さんのコメント...

山より山道具が好きなのでは? と疑っています。