2013年7月19日金曜日

休題 その百十六




 随分前に、泣かされた映画ベストスリーを休題に書いた。皆古い話になって仕舞った。では、此処五年間で泣かされた映画の事。
 結論を読まれちまったかな?まあ良いでしょう、其の通り、レ・ミゼラブルで有る。
 ワーワー泣きはしなかったが、常に泣き乍ら観て居たのだ。何時でも涙が滲むの。歳の所為だけでは決して無い(少し有るかな)。
 多分あたしに一番似て居る(感情面で)次女が観に行くと言うので、断言した。
「絶対、泣きっぱなしになるぞ」
 帰宅した次女が言う。
「ずーっと、泣きっぱなしだったよ」
 そうでしょうとも。あれで泣かなければ、とてもじゃ無いが、人間とは言えない。とは言っても、妻と観に行った時は、隣の席のおじさんはグーグー寝て居たから、一概に決めつける事は出来ない。妻だって、途中襲って来た睡魔と闘ったと言うし。仕方無い奴。
 感情を全て歌で表現するので、テンポ良くは行かない。構成上の問題で有る。ハイテンポのジェットコースタームービーに馴らされて居るので、じっくりとしたものは苦手なのだろう。そして、本作品はじっくりの極致、大傑作と称すべきものなのだ。
 ヒュー・ジャックマンを見直した。そういう人も結構居たと思う。お互い不明で有った。其れ迄は猫男と呼んで居た。X-MENの髪型から連想したのだが、もう猫男なぞとは呼べない。
 どの曲も素晴らしいが、あたしには“民衆の歌“が最高だった。あたしは勝手に、パリコミューンの歌と呼んで居る。
 “砦の向こうに憧れの世界”と謳って居る。実際は、剣と銃とギロチンの、血で血を洗う世界で、欧州の災難ボナパルト(異議も勿論有るでしょう)を呼び出した世界だ。(尤もレミゼラブルの時代は、ナポレオンは敗れて去って居る)
 其れは理性の話、感情は共に大声で謳いあげたい世界なのだ。あの歌の素晴らしさは、感情に直に効いて来る。抵抗不能なのだ。泣けて来るじゃないですか。
 良い歳してあたしゃあガキだって事なんだって事だけど、本当だから仕方ないですなあ。

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

わたしも レミゼラブルは、じんわり涙で観ました。良かったですね!!!

kenzaburou さんのコメント...

本当に良かったです!!
アカデミー賞の馬鹿! と思いました。