2013年7月28日日曜日

柄でも無い事 その四十四




 演劇をやって居た話は前に書いた。劇団が解散しても、脚本を書く魅力は捨て切れず、青山のSセンターの夜学生になった。
 週一の二時間の授業、と言うよりゼミで有った。当然だけど突然には入れない。其の前に、三十本だか四十本だか忘れたが、映像にして十分位のシナリオを通信教育で済ました後に、入学資格が生じるのだ。
後は入学金と授業料を払えば其れで良しで有るのは、何処(いずこ)の大学も短大も専門学校も、全く同じ事。
 通信の方は問題無かった。ま、あくまであたしに取ってなんだけど。課題を送れば添削されて帰って来る。褒められれば(最初は褒めるのが方針なので、たまには有った)、うん、そうだろうとも、とご満悦、注意を受ければ(殆どがそうなのだが)、フン、全然分かってねえな、と無視する。
 一体何の為に、通信教育を受けて居たんだろうね?学ぶ気が無かった、と言う事だろう、きっと。そう思わざるを得ない。
 なんか注意が朱で入って居ても、全然気にもならない。で、週に一度のペースで出し続けて、通信を終えた。此のペースは、リングの鈴木光司氏(彼はセンターの先輩)と同じだそうだ。違いは作品の出来だけって事かな。
 ゼミになったら、そんな御気楽は何処かに吹っ飛んじまった。課題に沿って三十本書いたら卒業なのだが、結婚式とか復讐とか弁護士とか医者とか裏切りだとか喜劇だとか、課題も多岐に渡って、中々骨で有る。
 其れをゼミで読み上げ、(あたしの場合は)集中砲火を浴びるのだ。当然若者が多いので、あたしが三本柱にした、時代物、戦争物、SFのうち、時代物と戦争物は用言からして分からない、具足と言う言葉すら知らない。
若者A「あ、済みません、寝てました」
 となる。知らない用語を列挙されると、緊張が切れるので、無理からぬ事で有る。寝てる人は良い、攻撃して来ないから。
 中年入口の曲者が何人か居た。コンクールの受賞経験が居たり、如何にも上手いシナリオを、たまに発表してクラスに居続ける、俗に言う処の古狸達(失礼!)で有る。
 そしてセンスの有る三十代の女性達。此れも曲者だ。其の、古狸と曲者女性達が、遠慮無くあたしのシナリオを攻撃するのだ。
 どうでも良い話は続きます。

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

趣味なだけでなく 本格的に勉強されたんですね! 社会人で「物書き」、、、それはそれはいろんな人たちがいるでしょうねー!怖!!!

kenzaburou さんのコメント...

様々な経歴の諸君です。
すっごーく怖いのです。
シナリオとなると、一切妥協せず、鬼んごたるですよ。