2013年2月8日金曜日

閑話番外 その六十八




 大分前になるが、ボロ靴の写真を載せて、二代目の靴が駄目になった話を書いた。依って現行の革靴は三代目なのだが、此れ又あたしの悪癖が出て、確りした靴が並んで居る中で、選りによって一番頼り無い奴を買って仕舞ったのだ。
 理由は言う迄も無かろうが、異様に安かったからだ。まともな革靴の半額だった。普通なら思う、こりゃヤバいぞって。普通では無いのだ、あたしゃあ(涙)。
 一応、皮は厚くて固くてずっしりとして居る。問題なのは、重さでは無く、質なのだ。素人のあたしとしては、質は分からないので買った訳。内心で首を捻り乍ら。
 使えば一発で分かる。縦走に出掛けて、雨に降られた。そしたら、な、何と、皮が歪んじまったの。見た目が変になるだけなら、全く構わない。
変形して角度が変わったもんだで、フックから靴紐が外れるのだ。此れは困る。スパッツでも着けて居ようものなら、紐を締め直す為に、スパッツを外さねばならない。凍えた手で作業するには、途轍も無い面倒で有る。アイゼンを着けて居れば、アイゼンもだ。
 あたしが雪の丹沢で、アイゼンもスパッツも装着しないのは、そう言う隠れた訳が有ったのだ。
 そして、靴紐をきっちり締めると、踝を圧迫し痛む。一歩毎に痛むのだから、やがて耐え難い痛みとなる。仕方無く紐を緩める。当然の事だが、下りでは爪先が靴にモロに当たる。昨年秋の北岳では、両足の爪が半分程、紫になってもうた(涙)。
 二十年近く使った三代目だが、お別れを考えねばならないのかも知れない。もう限界って事なのだろう。あの時、高くてもちゃんとした靴を買って置けば、此の嘆きは無かったのだ。其れは決して三代目の所為では無く、あたしの所為なんです。
 でも、山靴には不向きな皮を使って、見掛けだけは立派ってえのを店頭に置くS屋さんよ、忸怩たるもんは無いのかい?
 其れに飛び付くお前が悪いって?ご尤も!!

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

まあ、3代目はだいたいダメと決まっているみたいですから、、、!

kenzaburou さんのコメント...

そうなんですよね。
トホホ……の気分です。