2012年11月4日日曜日

臆病者の痩せ我慢 その三




 何の話だっけ?うん、立場を変える話だ。沢の本義は滝だ!豪快な滝を直登する、うーん、爽快だ、其の為に沢に来たのだ。著名な沢には必ず大滝が有って、滝登りのスリルを満喫させてくれる。其の上人が大勢入る。従って踏み跡はバッチリ、藪コギなんてする必要も無いのだ。
 え、豪快な滝も無い?多くは詰まらない川原歩き?枯滝が多くて岩がボロボロ?下らない滝を巻くのがガラガラボロボロで命がけ?最後はザレ土で、場合に依っては酷い藪コギが待ってるだって?
 一体何が悲しくて、そんなとこに行くんだよ!よっぽど人生辛い事が有ったのかい?話してご覧よ、俺、聞いてやるからさあ。
 と、そうなっちまうのですなあ。
 豪快な滝も良い。巻き道も完備して居るのだから。但し、高所恐怖症の私にとっては、大きな滝を高巻きするあの高度感溢れるトラバースが、死ぬ程怖いのだ(恥・汗・涙)。
 高名な沢に有る大滝には、必ずと言って良い程に巻き路が完備して居る。でも、高度感溢れるトラバースも付き物なのだ。従って、高名な沢を敬遠してしまうのだ。
 水無川本谷は昔々遡行したが、大滝のF8の巻き道が偉く怖かった。滝を遥か下に見てのトラバースは、一条の踏み跡は有ると言っても手掛かり一つ無かったのだ。
 時は流れる。何人か落ちたとやらで、何と今はロープが有るそうで、其れなら又行っても良いかなと思わされる。ロープが無ければどうだって?死んでも行くもんか!
 兎に角、高所恐怖症の人間は、本来沢に入るべきでは無いのだ。其れでも入るのならば、それこそ自業自得って事で、怖い思いでも何でもすれば良いのだ。はい、散々してますです(涙)。
 此処から巻こうと登り始める。見た処、如何にも登れそうに思える。ところがギッチョン、殆んどの場合は足元の定まらないザレ土で、たまに有る立ち木が唯一の頼り、岩なんか当てにもなんない。
 (臆病者の痩せ我慢 その四へ続く)

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

怖いですねー! ハングオーバーのトラバース、岩はもろくてガラガラボロボロ、土はザレ土、水しぶき、ハングオーバーの絶壁から下を見ると岩ばかり。怖いです。
沢屋さんとは、登ってきて、岩魚を釣って、お湯をわかして、岩魚でちょっと一杯楽しんでくる人達かと思っていました。ずっと誤解していて、ごめんなさい!!!

kenzaburou さんのコメント...

其の通り、それは沢屋ではなく渓流釣り師の世界です。結構ヤバイんだけど、沢屋が聞いたら笑っちまうのです。

誤解が解けて、良かったですね!