2012年5月7日月曜日

山の報告です その二十六




 写真は一日の午後、一時的に視界が開けた時のもので、殆どはガスの中だったのだ。
 明けて一日、雨は降り続いて居る。連休前半は好天だと言ってたでしょう、気象庁さん!
 雨具を着込み、東へ向かう。此処いらは分かりやすくて良い。やがて登りに掛かる。登りだと安心するのだ、取り合えず稜線は外して居ない訳だ。
 雪を踏みつつピークに立つ。珍しく(初めて)道標が有って、西稲包山だった。シメシメ、ここ迄は間違えて居ないぞ。
 雪面のガスの中では、なーんにも見えないので、下りを定めるのが大変だ。トレースでも有ると助かるが、そんなもんは無い。此の季節に入る人は、先ず無いのだろう。
 ひたすら地図と磁石が活躍する。現在地が明白な時は良い。滅茶苦茶に良い。多くの場合は、現在地すら推定になる。小ピークに立っても、それが地図に記載されて無い事が多い(特に五万図)。
 従って今回は路が記載されて居る五万図と、古い、路の未記載な四万図の両方を持って行った。此れは大成功だった。ひだが読める上に鉄塔の記載が有るので、鉄塔に行き当たると自分の位置が確定出来る。此れは有難い。
 何度か方角を確かめ乍ら、稲包山に着く。雪は消えて夏道が出て居る。大いに助かると道を行くと、直ぐに道は雪に隠れて又雪面歩きで有る。何とか鞍部に着いて登りに掛かると雪が消えた。地形で判断すると、左手の笹薮の中に道が有る筈だ。
 で、其の笹薮を這い登る事にしたのだが、例に依って雪の重みで下向きになった笹の上を登るのだから足元はツルツル滑るのみ、両手で掴んだ笹のみが頼りで、僅かな距離を登り切った時は、へたり込みそうになった。
 予想通り道は有った。同時にあれ程渇望して居た視界も開けた。やったー!!お陰で不安無くキワノ平ノ頭に着けた。此処でツェルトを張る積もりだったが(え、4千m位しか歩いてないって?良いの、荷物は重いし方向決定で苦労して時間を食ったの!)、適地が無く風が無闇と強いのだ。
 見通せるのを良い事に、次のピークへ下って稜線を外し、風が当らない場所に張った。
 流石に好い加減なあたしも、ガスの稜線では慎重だったが、ツェルトの場所では、モロに本来の好い加減さが出た。前後に傾いて居るのは良い。良く有るパターンだ。此の日はおまけに左右にも傾いて居たのだ。
 船で言えば、ピッチングとローディングが重なった様なもんで、全く救いが無い。一寸と動いても、どっちかに滑り落ちる。何時でも頭を下げて居て、体も伸ばせない。腰は痛くなる。チューハイを飲むにも、天井が邪魔なのだ。其の上又雨が強くなって来た。もう濡れて居ない物は何も無い。(続)

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

けん先生、悪戯っ子ウながら訂正させていただきます。
ピッチングは良いけどローディングは違いますローリングです。ローディングはもしかすると道をつけるみたいな意味に使えますね。
やはり頭を高いほうに置いてお休みですよね、何か寝ながら船酔いしそうですね。
海ではヨーイングにバウイングが加われば確実に戦意喪失で、118(好いや;海上保安庁の緊急電話)しちゃうか、救命ボート(膨らむ保障無し)に乗込んでタッパウェアのタバコとライターで正気を取り戻すのです。
あとは秋葉で入手できる米軍の無線機があれば助かりますが、海難審判があるのでパスポートを持って亡命を希望すれば気の好いメリケンは受け入れてくれますよ。

kenzaburou さんのコメント...

ご指摘有り難う御座います。
いやー、海に疎い上に好い加減なもんで。
ローディングと言えばコンピューターの読み込みで、何馬鹿書いてんでしょうねえ。