2012年3月30日金曜日

体中がつった! その二



 それでも何とか、丹沢山を越え、つるべ落としを過ぎ、棚沢へ登り返し、鬼ヶ岩に辿り着いた。良くぞ歩いた中学生よ!
 処で何を食べていたのだろう。クラッカー
かお握りか、チョコレートなんて高級品は持っていたのかな?何も覚えていない、一切合財綺麗さっぱり覚えていない。決してアルツではなく、余りに遠い昔過ぎるのだ。(本当にアルツじゃないの?)
 鬼ヶ岩で、突然Oが一寸と寝かせろと言い
出した。え、何故?Oは脂汗だらけで、その侭寝てしまった。と言うより、気を失った。おい、O、と揺すっても無反応なのだ。仕方が無いので、皆でボンヤリと待っていたのだと、思う。
 おいおい君達、やばいぞ、それは(え、俺
の事か?)。子供は分かってない。完全な過労症状じゃんかさー。でも良かった、三十分位でOは気づいた。その後はどうにか大丈夫で、彼は歩き通せた。
 蛭をどう越えたかは全く記憶に御座いませ
ん。姫次を越え、黍殻山に近づいた。当時の黍殻山は、伐採されて、切り株の山だったのだ。それが公園に見えた。私だけじゃなく、全員がだ!
 多分、誰かが公園だ、とか言って、全員が
暗示を受けたのだろう。暗示を受けるには、持って来いの状況でしょう。共同で苦労し、共同の目的(家に帰りたいよ、えーん)を持って居て、極度の疲労で思考力は低下なのだ。
 私には、ブランコで遊んでいる子供達迄見
えた。他の連中も、それぞれに同じように見ていたのだ。でも、路は公園の下を通り過ぎて行く。がっかりした、あそこには、水飲み場が有るだろうに、何で道は公園に寄らないのだろう?水が飲みたいなあ。思えば、脱水症状も出ていたのかも知れない。
 焼山を下り始めると、A(仮)が道端で何
かを探し始め、動かない。おい、どうした?
 (体中がつった! その三へ続く)

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

こ、こ、こ、こわい、、、!
このおはなし、怪談より怖いですよー!!!

kenzaburou さんのコメント...

結構ヤバイ状況では有りました。
穂高でなくて良かったです!