2012年1月28日土曜日

最高峰に乾杯! その四


 其れからは県は二人を雇い、週交代の勤務制とした。此れでやっと番人が居着いてくれたのは、取り合えず目出度い。
 県営小屋の悪口に(本義では無い)成って
しまうが、Rさんの頃の様に、イザと言う時の頼りには成りそうも無い。
 六年程前、大雪が降ったので問い合わせを
したら、登山不可能ですとの返事で、小屋も閉まっているとの事。何のこっちゃろうと、疑問を感じつつも日帰りで塔へ登って、髭の番頭さんに聞いた。
私「蛭へは登山不可能と言われたけど、行け
ば行けるんじゃないの」
番頭さん「(吐き棄てる様に)行けないのは
蛭の小屋番だけだよ!」
 そんなこったと思った。けっ、勝手に蛭へ
行くべきだった。県に問い合わせた私が馬鹿だったので、責める気は有りません。って事は、役人を信じちゃいけないって事?其の通り!
 役人を信じちゃいけない、とは不適切な発
言でした、忘れて下さい。でも、山に関しては何をか言わんや、で有る。役所を信じてどうする、己の不明を恥じるべし、はい!!
 蛭ヶ岳の話だった。

 山頂からの景観は既に書いた。見た姿を話
そう。出会いの章に有る様に東京から見た丹沢は、大山より始まって塔へ至り、徐々に高度を増しながら一番高く三角に聳える蛭ヶ岳に到る。其処から一気に下ってから焼き山迄なだらかに高度を落として行くのだが、蛭ヶ岳に綺麗に富士山が掛かるのだ。ふっふっふ、図った様な構図だ。
 うーん、流石最高峰、見事なり。多分皆さ
んも、今日は冨士が綺麗だなあとか言い乍ら、何気無く見ているんです。え、分かってるって?其れは失礼を申しました。
 鬼ヶ岩の頭から見る蛭ヶ岳は目の前だ。意
外と高度差を感じるが、取り付くと思った程では無くピークに立てる。とても嬉しい。大室山にも見習って欲しい。
 (最高峰に乾杯! その五へ続く)

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