2011年12月7日水曜日

休題 その七十九


 前に何度か書いたが、朋友にYnと言うヤクザにしか見えない男が居て、電車の中を歩き乍ら、脚を組んで邪魔なら其の脚を蹴っ飛ばして通ると言う、あれで有る。
 住まいは北区の下町なので、まあ、不良の巣窟の様な所だろう(多分)。
 で、Ynが昔々彼の倅の通う中学で、PTAの副会長となった。理に適った人選だ。毒をもって毒を制す、此れが世の摂理で有る。
 前述の通り、学区は不良と暴走族の天下(多分)、PTA副会長としては、放置し得る問題では無い。即、改善に向けて動き出した。
 うーん、流石にやる事は早い。因みに我が朋友達は、やるべき事が有れば迅速に行動を起こす。なかなか(その点は)立派な諸君で有るのだ。
 Ynは急所を見抜いた。不良や暴走族の親は、不良かヤクザに決まって居る。先ず親から締め上げよう。
 流石Ynの面目躍如、校門に立ってニコニコと生徒に声掛けなんて甘ったるい事はやらない。いや、思いも付かないのだろう。
 Ynは悪ガキの家へ行き、靴の侭上がり込み、親を恫喝する。
「馬鹿野郎、てめえのガキに勝手させてんじゃねえぞ、こらあ!何とかしろ、良いな!!」
 どっちがヤクザか分からん。
 あっちこっちで其れをやり、やがて学区は静かに落ち着いたと言うのだから、結果オーライの見本其のもので有る。
 倅が卒業しても、特に乞われてもう一年副会長を務めたのだから、学校からも余程頼りにされたのだろう。
 と書くと、Ynが如何にも乱暴者に思えるだろう。実際そうなんだが、人情に厚く、不正を嫌い、お年寄りには大変優しく、孫には目が無い。決して屑では無い。保証する。
 見た目とは大違いなのだ。人は見掛けによらない見本でも有るですなあ。

4 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

貴重な人ですね。じゃりんこチエを地でいっているような。わたしにも 亀戸から近い、向島に住んでいた大工の頭領の娘と友達だったので、KENZABUROUさんの書かれた人みたいな人を身近に知っています。環境というか、地域が人を育てる、、ということなのでしょうか。

kenzaburou さんのコメント...

確かに此のご時勢では貴重な人物です。

>環境というか、地域が人を育てる、、ということなのでしょうか

多くの場合はそうだと思います。ただ、Ynの場合は、田園調布に住んで居ても今の様になって居ただろうと思います。
地ですなあ。

匿名 さんのコメント...

自分はオートバイが好きですが族ではありません。兄の時代はカミナリ族と呼ばれ、こいつらは金持ちのボンボンが改造バイクで走り回っていただけでした。数十人規模だと思います。
しばらくのブランクがあり暴走族が出現したのは時代の要請だったのだと思います。高度成長期の中で弾き出された若者達(実は中卒や高校中退の勤労者)が、鬱憤を晴らすべく自然に出来たのでしょう。246を制したグループは箱車も持ち、整然と赤信号をゆっくりと走ってました。これは数百人規模なのです。
殿がパトカーなのが笑えますね。テキサスだったらショットガンで打たれる行為なのですが日本の法律はうまく出来ていて、警官が市民を打つことは先ず有り得ません。
しかも族同士の喧嘩には一定のルールがあり「肩から上を殴ってはいけない」、「レンチやモンキースパナなどの道具を使ってはいけない」のです。これを犯した奴は自分のグループでリンチに合うそうです。
今、残っているのは茨木県のレディース暴走族のみ。元気な男の子が居なくなってしまいました。時代は卑弥呼のそれの様に女系家族になるのかもしれません。
仕事柄、族上がりの人間との付き合いがありますが、彼らの多くは挨拶や仕事が良くできるのです。小さな土建屋やペンキ屋の社長とかになってます。逆に使えないのは東大出の奴等ですね。こいつらは「人の話が聞けない」、「自慢話しかしない」という社会的に受け入れがたい輩ばかりです。が、しかし霞が関で偉くなるのは何故でしょうか。
   悪戯っ子拝

kenzaburou さんのコメント...

悪戯っ子さん

この間ショートさんとも話したのですが、東大出身者には独創性が無いと言われて(比京大)居るけど間違いで、例えば規制緩和をすると其れになんらかの条件(一定の業者しか作って無い物を取り付けるとか)が付いて居て、彼らの天下り先はがっちり確保すると言う、立派な独創性が有るのです。