2011年11月2日水曜日

無敵の縦走路 その九


 小振りだが綺麗な小屋で、空いて居るのがとても良い。其の状況は小屋には良くないだろうとは分かって居ます、でも私達には有り難くて、済みません……。
 腹に物が収まれば元気溌剌、霧氷を愛で乍
ら塔へは足取りも軽やかに。尊仏山荘を覗きはしなかったが、寒い日が満員なのは決まり事、塔迄来たら、表で震えての昼飯になった事だろう。真昼間迄霧氷の残る、それはそれは寒い日だったのだ。目的地の一寸と手前ってえのは、狙い目なのです。
 塔への最後の登りは、案外楽に登れる様な
気がするが、そんな筈は無いだろう。気のせいに決まって居る。
 大倉からでも、ヤビツからでも、簡単にヒ
ョイヒョイとは来れない(中高年にとっては)のだ。塔を下り始めれば良く分かる。擦れ違う人達は、殆どが気息奄々、やっと脚を運んで居る。気の毒で有る。ま、さっきの私の姿なんだけどね。
 塔から見渡す表尾根も絶景で、横に控える
大山とのバランスも絶妙だ。其の先には相模湾が光って居る。
 多分表尾根は、丹沢の一番人気だろう。季
節が良ければ人の絶え間が無い。大倉尾根も人の絶え間が無いが、帰路か往路で通って居る人が殆どだと思う。ま、中には私が様なピストンの物好きも居るけど。表尾根を歩く人達は表尾根が目的で(多分、殆どが)来て居るのだ。
 植林が少なくて自然が豊富、岩場も有れば
赤土、ザレっぽい所も有って変化に富み、展望も見事に利き、おまけにヤビツ迄バスが行く様になって楽ちんとなりゃあ、最早最強無敵の縦走路なのです。
 万が一、丹沢に登った事が無い人に、最初
はどのコースが良いかと聞かれれば、私は躊躇う事無く、表尾根を勧めるでしょう。

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