2011年11月20日日曜日

バテ通し病は治らない? その三


 実は一人、教科書に載せたい様な典型的患者が居る。Yで有る。本来彼は短距離タイプなので、重荷を背負っての縦走タイプでは無いのだ。
 従って、雪の上でも歩き出すと、すぐさま
汗が吹き出る。帽子の庇からは常に汗がポタポタ落ちる。雪の積もった屋根みたいなもんだ。雪が解けて落ちる水は良い。綺麗だ。Yの帽子から滴り落ちる汗は、出来たら触りたく無い。
 Yは、ゼーゼーと辛そうに歩を進める。と
ころが休憩ともなると元気溌剌、何やらパクパクと食べて居る。幕営地に着く時なぞ、大抵は気息延々、倒れる寸前の有様だが、テントの中では食べる事食べる事、飲む事飲む事。さっき迄のあの有様は何だったのだ?と思わされちまう。そして、此れこそが(新)バテ通し病の典型的症例なのだ。
 本当にバテた時は食欲が無くなるものだ。
山岳部では、新人は必ずと言う程食べない(食べられ無い)。
リーダー「喰え、喰わなければ歩けないぞ、
水を掛けてかっこめ!」
 新人は叱られ乍ら、泣き泣き飯に水を掛け
て無理やり喉に通す。此れこそがバテたと言う状態なのだ。私だってバテた時は、本当に無理やり食事を摂る。食べ終わると、げっそりして居るもんだ。でもYは違う。喰う寝る、元気!!泣き泣き飯を食うなんて、薬にしたくても有りゃあしない。
 Yが本当にバテた事が、一度だけ有った。
本当に長い付き合いで、唯の一度だ!!
 春の小松尾根を平標直下へ登り、西へ分岐
する稜線を日白山へ辿ろうとした時だ。麓から日白山へは道が無い。勿論平標直下への稜線も道では無いので、当然乍ら春のみに許されたコースなのだ。
 (バテ通し病は治らない? その四へ続く)

5 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

写真 素敵ですね。こんな柔らかそうな雪を 絶景を見ながら歩いてみたいです。
山仲間にも短距離奏者と長距離縦走専門走者とが 居るのですね。でも本当に、歩いている時は 疲れて半分死んでいたのに、小屋に着いたとたん 元気になって 鼻歌うたって荷物整理を始めたり せっせと動き回れるの、不思議ですね。

kenzaburou さんのコメント...

へへへへ、新雪を踏んで歩くのは、堪らないですよ(涎)。

>小屋に着いたとたん 元気になって 鼻歌うたって荷物整理を始めたり せっせと動き回れるの、不思議ですね。

若かったからではないでしょうか。ひょっとすると、今なら鼻歌も出ず、動く事もままならない、あ、此れはあたしの事でした!!

匿名 さんのコメント...

確かに「バテ通し病は治らない」です。悪戯っ子も高校・大学とスキーで頑張ってましたが疲れはてると水しか要らない状態に陥っていました。でも、それを克服したら乗鞍の夏合宿で、オカズがなくなると大盛りの丼飯に醤油をかけて食べてました。練習後は、ともかく腹が減るのです。

実は、そうしないと翌日のスタミナが出ないことを体感的に知っていました。これは私にとっての「バテ通し病対策」だったのです。後から知りましたが、カーボローディングということだったんですね。

サッカーなどのスタミナが必要なスポーツでは、3〜7日前から蛋白質を控えてスパゲッティやパンばかり食べさせられるそうです。日本のティームは想像ですが、メザシに大量の御飯に味噌汁ばかりかもしれません。

写真の新雪のトレースはいいですね。私は八方尾根ではピステの魔術師、パトロール時代は処女雪荒しと(ちょっとオーバーですが)呼ばれたました。処女雪を滑ったあとにそれを観察して「あそこのターンは失敗だったな」とか分かるのです。新雪でも加速すべき場所と減速すべき場所があるのです。ともかくピステは退屈なのでコブがあれば、2つ3つ飛ばすし、緩斜面では後ろ向きで滑ったりクルクル回りながら滑ってました。

逆プルークファーレン(ボーゲンは「ハ」の字ですがこれを逆にする)はデモンストレーター選手権、一位の方に教わりましたが、これは平らなところでしか出来ません。これは山足から切り込む(ターン時の加速)ための練習なのです。

「スポーツ音痴」が山に登りますかねぇ? え”っ、コーラスで奥様と巡り会ったのに音痴なんですか?? 「剣道や柔道は、まあまあ人並み」でしたか、確かに私は左が60kg、右は58kgの握力ですが、いつでしたか握手して冗談に思い切り力を入れたら負ましたね。さすがピッケルを握ったり沢登りをしたりしてる現役だから半端じゃないわけですね。

小生も野球は全く駄目です。球を拾うのが全くダメなのです。サッカーコートは広すぎるし埃っぽくて嫌だし、団体競技は概ね「ナスの頭」です。球技ではパチンコは下手ですが玉突きだけは結構いけます・・・玉突きはゲームではなくスポーツと考えています。集中力に体力がないといけないからです。

野球は苦手ですが社内対抗ソフトボール大会(缶ビールを飲みながらやる)で、7打席6安打の大記録があります。また、五黄の寅年生まれの従姉妹はインターハイクラスのテニスプレーヤーでヒビの入ったラケットを呉れてプレイしたのですが、彼女曰「あんたのサーブは200キロぐらいでてる。女子のプロ並みね、入ればすごいけど」とからかわれてました。ネットインならいいのですがフェンスを超えてボールがなくなってしまうので困りました。ゴルフもフルスイングで打てるのですが「いい音だな、コントロールさえよければセミプロなみだね」と言われました。ともかく何かを叩くのは上手なようですが加減ができないのですね。

「手つなぎ鬼だけは強かった」・・・これってオリンピックの競技にしたいですね。シニア部門でメダルを狙いましょう。状況判断は、ケン様におまかせしてショートさんに敵をけちらせる。起伏の多いところでは悪戯っ子が活躍できるかもしれません。これで日本代表間違いなし!!!

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

ふむふむ、KENZABUROU様は 音痴どころか、コーラスで、奥様と巡り合われたことが、発覚されててしまいましたー。まあ コーラス隊にも時々外れている人はいるものですが、、。でも剣道も柔道も 両方される方は珍しいです。だって全然 闘い方が違うので。わたしも柔道は習っていた時があります。腕の力がないと、足も 体も全然、踏ん張れないことがわかりました。たしかに、岩屋さんの手の力 腕の力 指の力の強さは 尋常ではないです。岩に指をかけただけの力で、全身を引き上げたりするのですから。
悪戯っ子さんの、新雪の上を爽快に滑っている様子が想像されます。いいですねー。「コブがあれば2,3つ飛ばし、緩斜面では後ろ向きに滑ったり くるくる回ったり、、」それはそれは 楽しいことでしょう!!!。スキーを知らない人は人生の喜びの3分の1をしらないまま過ごしている、、、と先輩にいわれたことがあります。くやしいなー。

kenzaburou さんのコメント...

先ず誤解を解いて置きます。あたしは妻とコーラス部で知り合ったのではなく、見合い結婚なのです。音痴はまさしく、掛け値なしの音痴です。あ、Kには負けます。彼は天才的音痴です。

尚、スポーツ音痴でもあるのでスキーは(も)駄目です。斜滑降、キックターン、斜滑降がせいぜいです。悪戯っ子さんが見たら腹を抱えて笑うでしょう。