小屋泊まりで縦走をした時、何が困ると言うと、時間で有る。詰まり、持て余すのだ。
あたしは、大体二時前には小屋に着く様に行動する。とか言い乍ら、一時前に着く事が殆どだ。酷い時には十二時前に着いて仕舞う。
夏山の場合だが、其の位の行動時間がベストで、一寸と送れると猛烈な夕立にやられる確率が、そうねえ、七割強だろう。
小屋に着いて居ればこっちのもんだ。急に暗くなり、ピカッと光が走れば大喜び、窓を覗きに行くと、程無くポツ、ポツ、ポツポツ、ザー!とバケツをひっくり返した奴が来る。
こうなりゃあ喜んじゃって、わざわざ軒下へ出て行く。足元はシブキでモヤって居るが、小屋の庇は大きいので、濡れずに済む。
ずぶ濡れで駆け込んで来る登山者が居る。あたしはニンマリ笑って見て居る。全くの人でなしで有る。小屋に着くのが遅れると、自分がそうなる訳だ。
小屋に早く着くと、夕立に対しては絶対的に有利なのだが、持ち時間が無闇と多い事になる。どうせ自炊なのだから、夕食は四時と決めたとしても、あと二時間から四時間は有るのだ。
従って、夕立の様なイベントは大歓迎だ。あとは、ビールを買って飲む、コーヒーを沸かして飲む、ウイスキーをチビチビやる、行動食をつまむ。でも、一時間位しか潰せないのだ。
夕食の支度をし、翌日の準備も済まし、又飲んで、やっと二時間。天気が良ければビールを持って小屋を出、見晴らしの良い所で又一杯。しまいには酔っ払っちまう。
自業自得の部分が大きい。あたしは無愛想と言う訳では無いのだが、人付き合いの良い方では決してい。こっちから人に話し掛ける事は、先ず有り得ない。
相手が何か困って居る場合は別だが、小屋の中では先ず無い状況だ。で、ブラブラしたり、小屋の本をめくったりして時間を潰す。
で、三時半にはもう夕食の支度を始めるのだ。四時には夕食で有る。自炊場は大抵あたし一人の事が多いので、ノウノウと食事をとる。皆さんは未だワサワサと、色々やって居る。寝て居る人も多い。
大概六時に夕食で、皆さんゾロゾロと食堂へ行く。あたしは其の間にどっと寝て仕舞う。どうです、自炊は良いでしょう。思うが侭の時間で行動出来るのだから。
朝は四時前には起きて、自炊場でのコーヒーから一日が始まる。あ、其の前に外へ出て空を見上げるのだ。大抵は星空だ。違う事も有って、降ってたりもするが、相手は自然なんだから、仕方が無い。
朝食を終え、準備を整えて出発する頃、皆さんは朝食で食堂へ向かう。分かってる諸君は朝食は頼んで無く、私とほぼ同じ時刻に出発して行く。結構其の手のパーティは多い。
そして、此の日も早く小屋に着くのです。
2010年9月26日日曜日
閑話 その五十六
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4 件のコメント:
ケン様
「こっちから人に話し掛ける事は、先ず有り得ない」って違います。もの凄い命題をフッカけるのが常套手段だったのですね!!!
文脈の中に不思議の国のアリスの様な数学的なトリックや落し穴が見え隠れしています。
酔って書いたときほど冴えるようですね、その才能がなのデ~ス。
ショートさんは言動と顔色を見れば一目瞭然ですが、ケン様がとても嬉しそうな顔をしたときには注意を怠らないよう肝に命じておきます。
全く、人が全く分かってないんだから、困りますなあ。
フッカケ、トリック、一切無し「あ、其の線から入っちゃあ駄目だよ。で、此の万年筆だが、デパートで買えば……」の世界とは縁が無いのです。
ショートさんは、多少は縁が有りそうですけづ。
小屋に着いて、自分で入れるコーヒーは 美味しいでしょうねー。
「できるだけ朝早く発ち、昼には小屋に入る」と先輩にうるさく言われてきました。でも小屋でゴロゴロしながら いろんな人の山の話を聞くのが嬉しくて ヒマをもてあますヒマがありませんでした。
Doglover Akiko さん、先輩のアドヴァイスは、全く正解です。
>ヒマをもてあますヒマがありませんでした
健全な証拠です。あたしだって、此の年になって不健全になってしまったんです。
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