2010年9月12日日曜日

丹沢は冬も良いのです その三


 下手をすると凍っているかも知れない。でも、アイゼンが確りしていれば、突破可能だ。表尾根の章で凍った鎖で息を呑んだのは、アイゼンが無かったからなのだ。
 正確に言うと、軽アイゼンを持っては行っ
たけど、着けるのが面倒だったので其の侭登った訳で、自業自得で有る。何とも不精極まり無い。其れで冷や冷やしてるんだから、何をか言わんや、だ。
 殆ど有り無いドカ雪以外の時なら、主脈は
素晴らしい。確かに、冬山入門に相応しい。綺麗さに感動して涎が垂れても当然で、笑う気は全く無い。表尾根を経験してから、挑戦する事をお薦めします。
 丹沢の冬は、零下二十度なんて事は先ず無
いので安心だが、零下十度は当たり前に有る。従って、結構寒い。救いは樹林帯なので、風に飛ばされる様な危険性が無い事だ。
 でも、蛭から桧洞に向かう下りは容赦無く
吹かれるので、行く人は覚悟しておいた方が良い。おまけに足元は凍って居ると思って居れば、間違い無い。此のコースは、ある程度の経験者のコースなので、無理はご無用、無理が通れば道理が引っ込む、ってさ。
 山で道理が引っ込めば、俗に言う遭難って
事になっちまうんで、是非避けたい。
 風に話を戻すと、八ヶ岳の冬は強風で有名
だ。其れも頗る付きで有る。特に硫黄岳が強風の名所だ。まずい事に横に噴火口の絶壁が有る。
 赤石鉱泉から登った事が有る。昔々の事。
深い雪を踏んで来たのに、硫黄岳頂上の一角に立つと、雪は無い。薄っすらと白いだけだ。雪は風で飛ばされて、積もらないのだ。
 強風だとは聞いて居たが、いやー、聞きし
に勝る風だった。勿論立っては歩けない。這うのだが、砂や氷の粒がバチバチ顔に当たって、其れが無闇と痛いの。息苦しい風は滅多に経験出来ないので、良い経験って事です。
 天気は上々だったので、問題無く通過出来
たが、悪天候で視界零だったらヤバイ所では有る。何たって噴火口跡の絶壁が有るんだから、方向を間違える訳には行かない。
 横岳からは其れ程の風では無く(と感じさ
せられた、硫黄が余りに凄かったので)、赤岳を踏んで赤石鉱泉に戻ったが、風の八ヶ岳の看板に偽り無しでした。
 装備に触れよう。普通の冬山装備と大差は
無い。山靴、ロングスパッツ、セーターに雨具上下、アイゼン(軽アイゼンで可)、確りした手袋。谷に入らない限りピッケルは不要で、雪用の輪っかを着けたストックの方が使い勝手が良いだろう。ワカンもいらない。
 ロングスパッツと言えば、最近は季節を問
わず着けて居る人が多い。理に適って居る。靴に小石や砂が入らないし、靴もズボンも汚れない。Sは早くからそうして居た。先見の明が有ったと言う事だ。
 (丹沢は冬も良いのです その四へ続く)

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

安い替えズボン付スーツにタイ、シャツ、靴をそろえても上等な登山靴が買えそうもないことが判りました。
スパッツはお洒落っぽいけどスキー用のとは違いますよね。
悪戯っ子が大事に保管しているのはスキーを履いたまま着脱可能なオーバーズボン。左右にチャックがついていて便利なのですがピステで蔑視されるのは何故?
昔は肩で割ってはいるのですが、今は裏拳で軽く倒れるように出来てるようです。ストックをポールと呼んでみたり、その先端で、せっかく塩を撒いて作ったコースのポール(ゲート)を倒したり、壊したりするのが楽しみでしたので悪戯っ子と呼ばれちゃうのかな。

kenzaburou さんのコメント...

登山用オーバーズボンは、登山靴を履いたまま着脱出来るように、左右にチャックが着いたやつで、きっとスキー用と同じでしょう。

蔑視されるのは、命が懸かってないからでは?

冬山登山で天候急変の時、アイゼンを外してスパッツを外し、靴を脱いでさてオーバーズボン、なんて言ってたら、もう体は動けなくなってます。

匿名 さんのコメント...

命懸けか。でも命懸けても尊敬を集められるとも思えないのですが。
便利さの追求が登山を進化させ、スキーは安直になり廃れ始めた。便利さと合理性とは似て非なる物・・・

海を見つめて考えようっと

kenzaburou さんのコメント...

若者にはスキーではなく、スノボーなのです。

スノボー不可のスキー場は、これからは運営不能になるでしょう。

時代って、変わるもんですねえ。