S「汚れないから良いんだ」
私・K「ふーん」
先見の明の無い二人なのだ。
稜線の小屋は冬も営業して居るので、暖かい暮らしは保証されて居る。でも、事前の確認は怠り無きように。中川温泉の章の、私が踏んだ様なドジも有得るので。あの時は麓だったから良かったが、山の中だったら一騒動になっちまう。
小屋を当てにして着いたら閉まって居る。さて、冬季小屋が設けられて居るのは蛭くらいだろうから、軒下でビバークになる。
おー、嫌だ嫌だ。何とか頑張って、生きて朝を迎えましょう!
幸いな事に冬にビバークした事が無い。テントを被って寝た事は有るけど、ちゃんとシェラフも有って、変則的な幕営だと言える。夏のビバークはやったが、夏は冬では無い。別世界で有る。冬のビバークなんざ、悪夢だ。
一般的なビバーク法を書いておこう。しないに越した事は無いのだが、万一の為です。
先ず着れる物は全て着込む。新聞紙が有れば体に巻き付ける。セーター位の保温力が有るのだ。
そして、無理をしてでも喰う。食事は小屋に頼む積もりだったとしても、何か有る筈だ。チョコでも、ゼリーでも、サラミでも、喰える物はどんどん喰う。さもなければ夜の寒さには勝てない。
もし何も食べ物が無いとしたら、貴方は冬の丹沢に来てはいけなかったのだ。いや、冬に限らない。最低の非常食の用意は、絶対に必要なのです。
後はリュックに足を突っ込み、丸くなって木にでも寄り掛かり、朝を待つ。空腹でなければ、寝ても構わない、寝られればだが。寝たら死ぬぞ!と言うのはもっと極限状態の時で、カロリーが摂れて、滅茶苦茶に衰弱して居なければ、寝ても大夫。いや、寝た方が体力温存から見て、より良い。
冷たくて(寒いでは無い)長い夜で有る事は疑い無い。耐えるしか無いので、耐えましょう。明けない夜は無いのだから。
縁起でも無い話になっちまった。でも、知らない人が居たら参考になるかと思って。え、そんなドジを踏むとしたらお前だけだって?本当にそうなんだよねえ、なさけねー!
突然、小屋泊まりからビバークに迄話が飛んだ。物事には順番ってものが有る。冬の日帰りを何回かやって、次は泊まりってもんでしょう。どんどん勝手に行っちゃうのが私の特徴なんで、悪しからず。
営業小屋でも避難小屋でも(幕営は禁止です、と一応言っておかなきゃあ、へっへっへ)、夕と朝が素敵だ。うーん、避難小屋で見晴らしの良い小屋は無いか。では営業小屋に泊まったとしよう。
夕闇迫る景色は、暗く沈み始めた平野にチラチラ灯りが点り出し、山々は夕日に赤く染まるのだ。寒いので、ゆっくりとは見て居られない。さっと見て引き返そう。
(丹沢は冬も良いのです その五へ続く)
2010年9月18日土曜日
丹沢は冬も良いのです その四
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