2010年8月26日木曜日

閑話 その五十四

081030_sorae_03

 

 秩父で最近、遭難者を助けに行ったヘリが落ちて二人亡くなり、其の現場を取材に行った日テレの人が二人亡くなった。滅多に無い三重遭難で有る。
 大分前には、奥穂高で救助ヘリが落ちて何人か亡くなったと記憶してるけど、ヘリが山で落ちると、先ず乗員は助からない。
 埼玉県の委託先(ヘリの)では、カウンセリングの結果、出動に対応不能な状態だと判断された由。無理も無い。
 そうか、パイロットは民間人だったんだ。委託されて、操縦桿を握って居たんだ。埼玉県だけじゃ無いと思う。
 自前でパイロットを持って居るのは、自衛隊と海上保安庁位では?警察と消防はどうなんだろう。面倒なんで調べないけど。
 ヘリの免許を持って居る知人に聞いた話だけども、ホバリングが出来れば全てOKで、後は簡単な事だそうだ。詰まり、一番難しいのがホバリングで、其れも山の中ともなれば風も一定では無いだろうし、一寸と変に動けばローターが岩や崖にぶつかり、あえ無く墜落して仕舞うので、命懸けなのだ。
 遭難救助は有料にすべきだ、と意見が出て居るそうだが、全く同感で有る。現在でも幾つかの自治体はヘリを有料にして居る。
 遭難者から救助以来が入り、「有料ですが」と言うと、「じゃあ結構です」と断られるケースも有るそうで、何なんだ其れは、救急車をタクシー代わりにする発想じゃ無いか!
 山は自己責任の世界で有る。不幸にも事故を起こす事も有るだろう。体調を崩す事も有るだろう。残念乍ら自力で下山不能になったら、素直に救助を求めるしか無い。
 自己責任なのだから、費用は当然自分払いだろう。遊び(登山の事。登山って元々遊びでしょう?)でヘリをチャーターする訳なのだから。
 金を払う以上は客だ、なぞとは思わない方が良い。ヘリのパイロットは好きでも無い山の中へ、命懸けでやって来るのだ。あたしを(或いは貴方を)救う為に。
 赤河原の小屋の親父が言う。
「(遭難者に)息が有れば張り合いも有るずらよ。何とか助け様と、無理もするがね。息をして無きゃ本当に詰まらねえ。唯運び下ろすだけずら」
 ヘリのパイロットもきっとそうなのだろう。危険を承知で飛び出すのだろうが、余りに墜落が続くと、山に入りたく無くなるだろう。至極当然な事だ。
 携帯電話が尾根筋は通じるので、安易な救助依頼が増加したそうで、ならば有料にしてしかるべき経費は負担して貰うのが、理の当然ってもんでしょう。
 ん、利潤を上乗せしても良いんじゃ無いかなあ。自治体も潤う訳だから、全く結構な話だ。パイロット氏の危険手当も増額出来るし。
 山岳保険に入って山へ行くべきですな。

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

秩父で そんなことがあったのですか。亡くなられた方々には、お気の毒でしたね。遭難者は助かったのですか?「山は自己責任の世界である。」真にまことに正論です。
山小屋の親爺さんたちは 遭難者の救助までされて、本当に大変なことだと思います。いつも小屋の親爺は 地震よりも雷よりも偉い神様のような存在だと思ってきました。

ところで、横穂高岳にロープウェイができたのですか?むかしからあったのですか?70年代しか 知らないので、、、。美容院で日本の雑誌を見ていたら、記事にロープウェイでかなり上まで登れると 書いてあったので、びっくりしました。

kenzaburou さんのコメント...

最初の遭難者は既に亡くなっておりました。

奥穂高岳にはロープウエイは有りません、ご安心下さい。
唯、新穂高温泉から西穂高小屋の大分手前迄はロープウエイが有ります。相当の高度差を稼げます。
但し登山道は西穂高迄です。奥穂へ進めるのは、ベテランパーティのみです。