2010年8月11日水曜日

旅立ちの日 その一

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 旅人は出発する為に旅に出る

 ボードレールの言葉だ。私にさえ、すっごーく良く分かる。では、山に出発する状況を書きましょう。登山者も、出発する為に山に行く、部分が確かに有るのだから。
 始まりは、此の山に行きたい、或いは此のルートを行きたい、なのは何処(いずこ)も同じと思われる。
 但し、季節及びルートの難易度には相当の差が有るので、此処は春山、上越の単独行で三日行程としよう。勝手に決めるなって?何事も何処かで線引きが必要なの!
 さて春の上越、どのルートをやろうかなあ。酒と灰皿を手元に、地図を見つめる。思えば、一番楽しい時間なのかも知れない。
 プログラムを組む時もそうだった(一応COBOLを使えたので)。依頼されたソフトを、どう言う手順で、どうやって既存のソフトに組み込むか、と考える時間が一番楽しく、ワクワクするものだった。見通しが立つと、後はフローを起こし、ディティールを記述し、コード化するのだが、其の段階では単なる力仕事に堕しちまって、データーを作ってテストの段階なんざ、鬱陶しいだけの苦行だ。
 芝居もそうで、脚本を、うんうん唸っては煙草に火を点け、ウロウロ歩き回っては想を練る。思えば此の時が最高に辛くて面白いのだ。脚本が上がれば、後は力仕事が待って居るので、唯々頑張るだけの世界に突入する。其れは其れで面白いのだが、どんな芝居をやろうか、と悩む楽しみは又別格で有る。
 済みません、山でした。
 よし、此の尾根から入り、此の山迄縦走して此処を下ろう、と決める。行った事が有る場合も無い場合も有る。どっちにしても春山は、初めて行くと考えて良い。其の年に依って状況がガラっと変わるから。
 さて、行こうと決めた稜線の等高線を読む。うーむ、此の下りはきついぞ。此の岩のマークはどうなんだろう。万が一のエスケープルートは何処にしよう。
 昔々は古本屋へ出掛けた。と言っても近所の古本屋では役に立たない。神保町へ行けば山専門の店が(多分今でも)有る。そこで山と渓谷や岳人の、山の様に積み上げたバックナンバーから、自分の行く山域の春の記録を探すのだ。四月号と五月号に絞れば良いので、多少は手間を省ける。
 良くしたもので、必ず必要な情報は得られた。ま、私なんかが行こうとする所は、誰でも行くって事でしょう。
 今は楽だ。死ぬ程楽だ。でも死なないもんねー、へっへんだ。……相変わらず酔ってんで、ご勘弁下さい(ペコリ)。

 (旅立ちの日 その二へ続く)

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ケン様は「着る、食う、飲む、住む、全てに無頓着」とはいえ、COBOLと高等数学に通じているから凄いでのです。ITと言うか肥大化したOSと面倒くさすぎるアプリが大井のですから仕方ありませんね!!!
悪戯っ子は宝の4ℓペットで、サトウキビの糖蜜、麦、トウモロコシから作られています。「美味いかって?美味い筈無いだろう!」と仰いますが、ある方法で美味しくできます。
1 大きな瓶を入手して少しだけ上等な焼酎をブレンドして3~5年寝かす
2 ワインをデキャンターに移して美味しくする容量で栓付(出来ればコルク)のガラスビンに小分けします。この時、7分目位まで注ぐのですが、これからが肝心です。良く振るのです。振ることで焼酎のクラスター状態が丁度良くなるのです。お試しあれ

「アルコールで有りさえすれば良くて」と学生の頃に考え、実験室から100%のアルコールをビーカーで呑みました。勿論、水道まで走りましたが、塩を舐めながら、これはいけると云いつつ呑んでた豪傑も居ました。当時は酒と味噌があれば「恩」の字でしたから・・・

「食べ物だって、食べられれば良いので、食べられなけりゃあ困るんだけど」・・・
ミミズのスパゲッティードクダミ添えは如何でしょう

「久保田の万寿?華の方がずーっと上」かぁ。幻の酒ですね。祖師谷のCALDIにはイタリアワインが沢山ありますよ。チリワインは無いと思います。600円台から二万円代まで揃っています。入口でロハのコーヒーを呉れるので安いビールと、つまみにチーズで締めて500円これでOK。ウルトラマンの所に座ってやるのです。交番の目の前だが何も云わない(云えない)。トマホークをベルトに刺してたら、一晩留置だな。未だ留置所体験がないので是非、あそこでカツ丼を奢って貰いたいのです。

kenzaburou さんのコメント...

悪戯っ子さん

あたしの不精は並じゃ無いとご存知でしょうが。大五郎を美味しくする手間なんて、掛けっこ無いのです。

ミミズのスパゲッティードクダミ添え、
ご勘弁下せえ、おでえかん様!