2010年2月13日土曜日

クソ面倒な話 その十四

店 048

 

 面倒十三で、恐竜絶滅の隕石衝突説に異議有り、と書いた。其の話です。
 恐竜絶滅は多くの説が有り、本もどっさり出て居て、常に人々の関心の高いテーマだ。当然だ、若し恐竜が絶滅しなければ、哺乳類は何時迄も日陰者で、ビクビクし乍らの夜間活動を余儀無くされ、人類も誕生出来なかった事になる。
 代わりに恐竜が進化を遂げ、新恐竜に依る文明が築かれたかな。そんなSFも有りましたね。
 背景絶滅と言うのは、環境変化の為其れ以前の環境に適応して居た種が滅びる事で、小規模で有り、何時でも起きて居る。モロに現在進行中の出来事。
 大量絶滅とは、生物の総入れ替えと言える程の規模で、大量に死に絶え大量に新種が登場する。オルドビス紀末、デボン紀後期、ベルム紀末、三畳紀後期、白亜紀末の五回が突出して居る。で、白亜紀末が恐竜絶滅なのだ。
 何と五回も大量絶滅が有ったのだ!突出して居ると言うのは、亜大量絶滅が外にも七回程有った事を指す。
 大量絶滅の共通現象として、前後数百万年に渡って環境が悪化した、らしい。
1 海水が後退し、大陸棚が干上がる。
2 地球の寒冷化と乾燥化。
3 無酸素海水が海の表面を覆う。
 大量絶滅にはおよそ二千六百万年の周期が認められる(らしい)。其れに着目して、何等かの天体現象に依って彗星の溜り場で有るオールト雲が刺激され、一億個の彗星が太陽系内へ飛び込んで来る、との仮説が出来た。巧い事に銀河系宇宙の回転周期は、計算の仕方に依っては、二千六百万年位になる。
 其の説が正しければ、空には無数の彗星が見えて、偉く壮観だろうが、たまに衝突して来るのがとても困る。
 隕石衝突はランダムで有る。従ってある程度の周期性の説明はつかない。彗星説なら、其の説明はつく。が、地層から検出されるイリジウムの説明がつかない。イリジウムは他天体からしか大量には供給されないのだから。
 此れは余りにもご存知の方が多いので、今更あたしが説明するのはなんだけど、一応触れておきましょう。
 白亜紀と次の第三紀を区切る地層が、世界中に存在し、K-T境界層と呼ぶ。厚さは1~2Cmだ。
 そこでイリジウムなのだが、原始太陽系では均等に分布したと考えられる。地球では、イリジウムは鉄と結合して、地球の核に沈み込み、地表には殆ど存在しない。
 K-T境界層には、何と三十倍以上、場所によっては、百六十倍、四百五十倍、と言う驚くべき値を示し、天体衝突以外には考えられなかったのだ。其の上大量の煤と灰も発見され、衝突に拠る大火災の証拠となった。
 クソ(失礼)面倒だけど、続きます。

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