汚い写真をどうしようってんだろう?
詰まり登山靴の話だ。写真の靴はあたしの二代目で、初代はナーゲル(鋲靴)だったとは、前述です。
スイス製の革靴で、丈夫で二十年以上履いた結果、ご覧の姿となったのだ。良く働いてくれた。初めての三千メートル級冬山も、此れで登った。初めての沢登りも、此れで登った。
初代のナーゲルにもとことん愛着が有るが、時代遅れも甚だしかった。重いし、岩で滑るし、雪の上では熱伝導が良好な為冷たいし、メンテが途方も無く大変だし。
見て楽しむには最高だろうが、あたしゃあ其の手の趣味は無い。二代に交換したのだが、靴底の写真だけでも残しておけば良かった、と思って居る。今となれば、立派な資料だ。
前述の通り、全面トリコニーとは、滅多にお目に掛かれない、と言うより、殆ど存在しないのでは無いだろうか。特注で仕上げて貰ったんだから。でも、ニッピンの靴部門は其の注文に大して驚かなかった。ひょっとすると、同じ様な注文が結構有ったのかな。
で、写真は二代目が愈々使用に耐えなくなって、別れる(詰まり棄てる)時に撮ったものだ。無理をすれば未だ履けるだろうが、ご覧の通り足首周りのスポンジも消え果て、靴紐を引っ掛けるフックも幾つも取れて、ビブラムを留めるあの丈夫な糸もボロボロ、修理すれば糸は直せるだろうが、直してどうします、明らかに限界を越えて仕舞ったのだから。
仕方無く、泣き泣き別れました。第一、此れ以上酷使したら、本人(本靴)が辛いだろうと思ったから。ま、履くあたしも辛いので、時期だったのだ。
三代目を購入したが、其れが笑っちゃうのが、あたしの安物買いの癖が出て、さかいやの滅茶苦茶安物を買って仕舞って、今でも現役で使って居る。
え、使えれば良いじゃないの?
其れはあたしの思想だが、使い勝手の良い方が良いんじゃ無いかなあ、と思ったりするのは、歳と言おうか堕落と言おうか、何でも使えりゃ文句は無い、との勢いは既に無い。情無くは有るですなあ。
今の靴、暫く履いたら変形した。ま、雨の中も歩いたし、雪も散々踏んだけど、何せ、元々皮がペラペラ、買う時迷った程貧弱な素材だったので、無理から無い事だ。
変形すると彼方此方に当たる。割と辛い。あと、紐が巧く結べなくなる。何せ変形したのだから、フックの位置も変になるので、紐を掛けても外れるのだ。
いやー、今迄そんなペラペラな登山靴を持った経験が無かったもんで、本当に驚いた。尤も、見れば分かるだろうに、値段に目が眩む哀れさ、我乍ら泣けて来る。阿保じゃ。
でも自分の登山靴なのだから、粗雑にはして居ない。夏の縦走や丹沢の冬には活躍して貰って居る。
でも春山縦走は無理なんで、お留守番です。
2 件のコメント:
さすが、、、貫禄ですね!!!
全面トリコニーというと、コンクリートの道路をあるくと カチャカチャ 音が鳴りますか? それともドスッ ドスッ という音ですか。こんな貴重な靴を捨ててはいけません。「KENZABUROU博物館」にちゃんと収容して、孫の代 孫の孫の代まで見せてあげないと。
えーと、此の靴は二代目でして、前面トリコニーは初代なんです。
音は、ガッシャッガッシャッ、です。
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