2010年1月5日火曜日

私にとっての天神尾根 その二

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 政次郎尾根も植林の中を唯々登る。植林から開放され、やっと自然の中に入ったと思うと、ポンと表尾根に飛び出る。其処から塔迄は思う存分自然の中、ご安心下さい。
 林道の先の小三角コースは、戸沢出合い迄車で入れば、ダッと登って塔に至り、ダッと下って車に戻る。楽過ぎて、本来では無いなぞとつい思ってしまい、林道を往復するのだが、割と景色の楽しめる林道なので救いは有るのだ。途中の竜神の泉で水を汲むのも、お勧めで、大抵車が数台止まり、大きなタンクに水を汲んで居る。飲食業の人も居るだろうと思って居る。
 此のコースは春夏秋冬を問わず、夫々の景色を楽しめるし、勝負が早いので(くどい?)是非一度お試しあれ。
 もう一つの天神尾根は、ゴンドラから始まる。500m以上の標高差を座った侭で稼げるのだ、はっはっは。と書きながら一寸と情無いが、文明の利器を見ながら登る気は、とてもじゃ無いが起きない。下った事は有るが、登るなんざあ真っ平なんであっさりと自分を許してしまうのだ。えっへん。(歳だし……)
 大抵春に登るので、スキー場を横切って尾根に取り付く。スキーヤーに轢かれない様に気を付けよう。流石ゴールデンルート、殆どの場合トレースが有る。ま、有っても無くても雪を蹴って登るだけだ。
 夏道は雪の下なので尾根筋を行くのだが、一ヶ所岩場が有る。小さなギャップだけど、一寸と嫌な所だ。落っこちないに越した事は無い。其の先幾ばくも無く熊穴沢避難小屋に着く。四月なら屋根が見えるだけ、五月になれば、小屋に入れるかも知れない。
 最近は此の小屋の横で幕営し、翌日谷川岳をピストンと言うパターンが多い。酷く楽でものぐさ、見方に依っては贅沢極まり無い山行なのだ。ねえ、良いじゃ無いですか其れ位の贅沢は、折角重いテントを担いで雪の山に来たんだから、ノンビリ楽しむのが本来でしょう。(歳だし……)
 去年(平成二十年)は一層磨きが掛かったものぐさをやっちまった。Yと二人だった。Yの良い処は、どんな酷いふしだら登山にも文句を付けない事だ。偉いぞY!
 ピストンを終えたら、撤収して下山するのが普通だ。もっと普通の人達は日帰りでスキー場(天神平)からピストンする。でも其れでは、夕方の景色も朝日の美しさも分からないので、あたしゃあ勿体無いと思うので、わざわざ幕営する。
 で、一層磨きが掛かったものぐさの話。テントから朝日を受けて歩き出し、谷川岳から一ノ倉岳へ足を伸ばし、ブラブラしたりコーヒーを沸かして飲んだりしてからテントに戻ると、勿論未だ午前中で有る。なのに我々は雪を融かして泊まりの準備を始めるのだ。
 (私にとっての天神尾根 その三へ続く)

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

良い写真ですねー。こんな きれいな尾根を 風の音を聴きながらトコトコ歩いているところを想像しています。谷川岳に足をのばして帰ってきて その頂上を翌朝 日の出とともに見られるなんて、、、贅沢な山歩きですね。コーヒーの味も、ウィスキーの味も最高でしょう。もちろんラーメンの味も。
写真から 冷たくて乾燥した山の香りがしてきます。

kenzaburou さんのコメント...

いやー、贅沢極まりないのですが、余りに楽をしてしまって、一寸と世間様に顔向けできない、様な気もするんです。