2009年9月6日日曜日

閑話 その二十九

店 039

 

 北海道の山でツアーパーティ他の遭難で十人が亡くなったが(平成二十一年七月半ば)、此れには触れたくなかったけど、未だアップして居ない本文でも其の危険を表明して有るので、文脈上触れざるを得ない。
 装備がべら棒に良くなり、交通の便が良くなれば、山は身近となり誰でも入れて、場合に依っては3000m級の頂にも大した苦労も無く立つ事が出来るので、目出度し目出度しと言いたい処だがそうは問屋が卸さない。
 四昔半前の装備は、冬でもヤッケと称するコットンの暴風着と、同じくコットンのオーバーズボン、コットンの馬鹿でかいオーバーミトン、コットンの(書き疲れたよ)オーバーシューズかロングスパッツを紐でぐるぐる巻き付ける騒ぎで、マナスル登山隊の装備と変わり無い代物だった。
 夏だって、確りした雨具はゴム引きのズッシリした奴、テントもザックも綿布のゴツイ奴で、火気だって白ガソリンか灯油を使い、面倒極まり無い物だった。
 従ってある程度の山に入るには否応無く重装備となり、覚悟をせざるを得ないので、慎重な準備と下調べ、面倒ですなあ。
 今は北海道の2000m級(内地の3000m級に相当)へ、何とツアーで行ける。手間要らず、楽ちんですなあ。で、此の悲劇で有る。
 低体温症?昔で言う疲労凍死の事でしょう?パーティがバラバラになって、彼方此方で疲労凍死、大昔の遭難記を見るごたある。ばってん今は平成、昭和初期と違うとですよ。
 本文にくどく書く“山は自己責任”と言うあたしの主張からすると、各自の責任に於いて行動し、各自の結果となった訳なので問題無い筈だが、そう考えるのはパーティでは無い事が前提なので、詰まりパーティでは無かった訳だ。
 ガイドが付いて居ても添乗員と同じで、リーダーでは無いと皆思って居るだろうから、危険に曝されたらバラバラになるのは当然で、遥か昔の遭難話となる。
 あたしはテレビを見ないので、新聞記事を読んだだけだから、以上は勝手な想像でした。
 何を言ってるかってえと、山は自然なので荒れたら手が付けられない、そんな時に出くわしたら山のセオリー通りの行動を取るしか無く、パーティは纏って一番弱い人間に合わせて行動し、決してバラバラになってはいけない。
 其の前に、絶対に悪天候で行動してはいけない。危ないと思ったら停滞か撤退有るのみ!
 其のセオリーを守れないのがツアー登山の盲点で、乗る飛行機は決まって居るし、予定を狂わすと修復に偉く手間と場合に依っては費用も掛かるだろうから、少々の無理はするのだろう。
 ツアー登山を、此の事故をきっかけに、否定するのでは無く、安全な姿にするべく見直すべきだと、愚考します。

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

100% kenzaburouさんの御意見に賛成です!!! (きっぱり!)

kenzaburou さんのコメント...

御賛同頂き有り難う御座います。
気の毒なのは亡くなった人です。
一寸と調べて続編を書きます。