2009年9月2日水曜日

山の報告です その六

FH000081

 去年(平成二十年)の梅雨時、次女に沢登りに行くか?と聞くと、行く!と答えるので葛葉川を登った。
 勿論小雨の中、葛葉の泉から嘘の様に可愛らしい沢に入り、行くうちに小滝が連続して現れる。ご承知の通り、沢登り初級の又入り口なので、危険は無いと思うが念の為サブザイルで次女を確保し登らせる。
 初めのうちは滝を越えるとザイルを解いて居たが、林道を越えて傾斜が強まるに連れ、面倒なのでザイルを着けっ放しにし、あたしは其の端を持って進む。何処から見ても犬の散歩で有る。
 其の上沢登りが初めての次女は、急になってからはずーっと四つん這いだったので、此れで完璧な犬の散歩の一丁上がり!
 小さなガレ場から左へ折れ、セオリー通りに稜線下へ出たが、次女は四つん這い。
私「もう立っても平気だよ」
次女「……立ち方を忘れちゃった」
 はっはっは。
次女「ガラガラしてて登れなくても、紐(ザイルの事)が引っ張られて必死に登ったよ」
 はっはっは、文句無く犬が鎖に引かれて居る図です。
 唯一ヶ所、F幾つだったか忘れたが、滝に土砂が被り泥と石が邪魔で登れず、右を巻いたが其処で笹を頼りの泥とザレ登り、雨で確り濡れて居る上に泥を擦って、立派な泥塗れ二つ(あたしも)の一丁上がり!
 其処の土砂も、もう其の後の雨に洗い流された筈だ。(責任は持てないけど)
 次女は流石若さで、四つん這いでも紐に引かれて居ても、シャカシャカと危な気無く登り、休憩は沢の中で一回のみで、一気に大倉(雨なので三ノ塔は踏まなかった)へ下ったのはご同慶の至り。何でだって?野暮だなあ、早く酒が飲めるから!
 雨と滝の飛沫でびしょ濡れの体は冷え切って居ても、O屋のチューハイは格別で、次女は缶ビール、二人で「乾ぱーい!」と目出度い。尤も帰宅後長男が「一杯目は生をやるんだよ」と偉そうにのたまい、次女は「閉まった!」と後悔の臍を噛んだが後の祭り。
 貧しい父親に気を使ったのだろうが、生ビールと聞いちゃあ心が騒ぐって事ですな。
 ガレ場で左へ折れるのがセオリーだが、真直ぐ本筋を詰めた事が有る。三年前、Yと一緒だった。通る人は殆ど無いらしく無名の沢の詰め上げの雰囲気だが、ガレも小規模で薮も薄い。
 一ヶ所泥のギャップを突破する時、Yの組んだ手を足掛かりにあたしが上がり、サブザイルでYが登ったが、他には難無く二ノ塔と三ノ塔の鞍部直下に到着、行き来する登山者は目の前で有る、万歳!
 ところが最後の登りが赤土の急斜、Yは三度も滑り落ち転げ落ちる。結局、やっと登山道に這い上がったYは、見事な赤土人形の一丁上がり!

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

父娘で山のぼり 岩登りができるなんて、良いですねー! なんと親思いの娘さん!!!

kenzaburou さんのコメント...

岩登りとは遠い小さな滝登りです、へへへへ。

え、親思い?あたしは娘思いの親だと思ってたんだけど、違ってたんだ……。