2024年4月1日月曜日

山の報告です その二百七

 


 予報通りの雨で風もある。ビニール傘をさして駅に向かう。山の出発としては余り嬉しくない。越後湯沢では周りの山に雪が残っている。相当雪が多いと言う事だ。バスは座席一杯、若いスキーヤーばかりである。

 傘をザックに括って登山道に踏み込むと勿論雪。数人の足跡が微かに見える。雪なのでほぼ直登するが、思う様に足が進まない。雪の直登には慣れ切っている筈なのに、ピッケルとストックを確り決めないと一歩を踏み出せないのだ。雪は半腐りなので足が沈む。垂直に体重を掛けなければ滑る。それでピッケルとストックに頼るのだが、本来なら筋力でぐんぐん進むものだ。

 筋力が衰えた?去年も一昨年も何て事なかったのに。あ、前章で平標に行くと書いたので説明しなかったが、平標への取り付きです。

 体調不良?二週間も変な筋肉痛とも腰痛ともつかぬ状態だったので、何かの不調の顕れだったのかも知れない。どっちにしろ足が進まないのは確かだ。尾根に出ても思う様に歩けない。雪が多いので雪を行ける。雪が切れて藪に入る面倒がない。それでも遅々として登れない。木の枝が傘に引っ掛かる。その度に外すに苦労する。

 三度も雪に座って休んだ。はーってな塩梅で溜息だか荒い呼吸だかも分からない。こりゃ一体どうなっちまうんだ。

 幸い、雨は上がって来て周りの山が一瞬見えて来る。と、直ぐにガスが視界を閉ざす。そのガスの中に鉄塔が見えた。もうここで幕営しかない。三時間四十五分も掛かってる!普通は一時間で着く所だ。力尽きました。それにしても異常なタイムである。

 斜面を蹴って平にするのが大変。三十分以上掛けても出来上がらないので、好い加減なとこで妥協した。出口は下、使い勝手がすっごーく悪いが仕方ない。ヨロヨロしての作業なんでこんなもんです。(続)

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