2024年4月13日土曜日

休題 その五百十五

 


 次女がこの本面白いらしいよと「怪物に出会った日」をアマゾンで送ってくれた。井上尚弥と戦った相手へのインタビュー集で、スポーツジャーナリストの森合正範氏著作だ。

 尚弥はプロデビュー以来、26戦26勝2KO、世界戦に限れば21戦21勝19KO,詰まり世界戦21連勝中である。ライトフライ級、スーパーフライ級、バンタム級、スーパーバンタム級の四階級制覇、バンタム級、スーパーバンタム級は世界の四団体統一王者となった。無敗で二階級統一王者になったのはカネロ(誰だか知りません)と尚弥のみで、全王者をKOで破ったのは尚弥のみ。

 桁違いな存在で”怪物”と称されるのは無理からぬ処だろう。最近は”モンスター”が通り名になった。海外でも知られる様になったからかな。

 こうなるとKOされなかった三人が気になって来る。一人は田口良一、日本チャンピオンに挑んで引き分け、ベルトが取れずに落ち込んでいる時にジムに尚弥(アマチュアで十七歳)が来てスパーリングをした。ダウンした事がなかった田口がダウンした。攻撃に間がなく、尚弥の一発一発が経験した事のない重さだった。結局3ラウンドでスタンディングダウン、スパーを打ち切られた。日本一位のプロがアマに完敗した。田口はトイレに行くと言って皆から離れ、泣いた。

 やがて田口は日本チャンピオンになった。そしてプロになった尚弥から挑戦を受けた。田口は日本チャンピオンを返上して世界チャンピオンを狙うか、ランクを下げて世界チャンピオンを狙う様薦められるが、絶対逃げたくなかった。

 田口はアマの尚弥に倒されてから練習が変わった。一瞬も気を抜かない。気を抜いた瞬間尚弥のパンチが飛んで来るのだ。元々打たれ強いのだが尚弥のパンチには耐えられない。ディフェンスも必死に磨いた。(続)

0 件のコメント: