クソ面倒な話 その九十七

 

　物まねのコロッケが物まねを引退した。昔は声帯模写と呼ばれていたが、コロッケが現れて”モノマネ”と呼ぶべき新分野を切り開いたのは、皆さんの方が良くご存じだろう。彼を天才だとあたしは思っていた。その彼が”モノマネ”を引退したのはポリコレの所為だと最近知った。

　説明不要だろうが一応しておくと、ポリコレとは差別的表現を排除し、中立的な表現や用語、動作を用いる事を指す。コロッケの芸は対象人物を思いっ切りデフォルトして笑いに結びつける。野口五郎の真似なぞ、歌ってる時に鼻をほじったりする。デフォルメも鼻をほじるのもいじめ、詰まり差別なのでもう”モノマネ”はテレビではできなくなった。

　例に依って米国発祥の概念だ。普段は米国の言う侭になるな！と吠えるマスコミも、この手の国力を弱める動きには直ぐに飛び付くのも決まり事だ。何故国力を弱めるかって？　自由な発想、創作、表現が奪い去られるからだ。今はコロッケ一人で済んでいる（それでも重大事項だ）が、漫画やアニメの規制を始めるかも知れない。アメコミはポリコレの為に壊滅状態だ。ディズニーも意識高い系の映画会社の誇りに掛けて、ポリコリ作品を出して一本の映画で１億ドルの赤字を出した。人魚姫も黒人の人魚にするそうだ。ディズニーではないが、ロードオブザリングのテレビ版ではエルフのお姫様が黒人だ。中世ヨーロッパに黒人がいたのか？　ポリコレは文化破壊が目的ではないだろうが、結果として固有の文化を破壊し、手足の縛られたクソ詰まらない作品を世に送り出しているのだ。

　漫画、アニメは日本を代表する文化になった。多岐に亘る自由な発想があればこそだ。アメコミやディズニーがこけるのは自業自得なので、どうぞお好きに、である。何故こける？　ポリコレだらけで詰まらないからだ！　それを日本にも押し付ける恐れが大だ。その手の法案も審議されている。日本は米国ではないのだ、変な文化を持ち込まないで欲しい。