2023年3月3日金曜日

閑話 その三百九十九

 


 前章で高取山がどうのこうのとバカを言ってる同日に、次女は木曽駒に登っていた。前日に駒ヶ根泊、一番のロープウエイで千畳敷で木曽駒ピストンである。

 千畳敷カール横断時は上の写真、深いガスである。下の写真、木曽駒に立つ時は晴れ上がって、何と恵まれた娘、と羨ましい。

 それは目出度くも予報が当たったので結構なのだが、驚くのは人の多さである。二月の中央アルプスが夏山状態だ。確かにロープウエイで登れるので行き易いのだが、それでも立派な冬山である。

 大昔の二月に宝剣岳と木曽駒に登った時は出会う人もいなかった。快晴の連休ですぞ。唯一人で細々としたトレースを頼りに行った。ガランとしたロープウエイ乗り場には、宝剣岳の滑落者の無残に破壊された遺体写真が何枚も展示されていた。気楽に登るなと言う警告である。今では考えられないですなあ。

 冬山は人がいないとの印象が今でもある。正月の八ヶ岳、甲斐駒、遠見尾根、唐松岳、鳳凰三山は別である。二月になればどの山域もひっそりとしたもんだ。

 今は何じゃ。さあ、皆で冬山を楽しもう、誰でもー登れるー♪ ビバ冬山!って乗りではないか。装備が格段に良くなって天気予報も驚く程当たる。でもですよ、万が一想定外に天候が悪化したらどうするんだ。

 何だか同じ様な事を嘆いてばかりいますなあ。あたしゃあ古い人間になったんでしょう。世の中の変化が心配で仕方ないなんてね。突然吹雪が襲って来たら、その経験もない諸君はどう対応するんだ、何て余計な心配なのだ。唯、千畳敷は雪崩が起きやすいのだ。それだけは気を付けて欲しい。気を付けようもないのが雪崩なんだけどね。

 古びたあたしを置き去りにして登山者は冬山を目指す。夏山の様に結構気楽に。これは時代の進歩と呼ぶべきなんでしょうね。

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